日本はもちろん、とくに北米では若者が買えるスポーツカーとして爆発的な人気を得た初代S30型のフェアレディZ。北米市場ではアメリカらしくV8エンジンへの換装という大胆な改造を施したS30も少なくない。そんなアメリカンなカスタマイズが施されたS30が、日本にもあった!

これぞ古典的なアメリカン・ドラッグレーサーの典型だ

画像: ベース車は1972年式ダットサン240Z。逆輸入車のため型式は不明。真紅のボディはエンジンスワップと同時に全塗装されている。

ベース車は1972年式ダットサン240Z。逆輸入車のため型式は不明。真紅のボディはエンジンスワップと同時に全塗装されている。

初代フェアレディZ(S30型)は、そもそもアメリカ市場からの要望により開発された。割安だった新車価格も手伝い、発売と同時に大ヒット。9年間も販売されたロングセラーだから、アメリカでも中古車のタマ数は豊富。ゆえに格好のカスタムベースになった。

画像: 純正サスペンションのまま車高を下げている。つまり足回りは旧車のまま。しかもフロントに185/60R14タイヤを履くのでノンパワーのステアリングは猛烈に重い。

純正サスペンションのまま車高を下げている。つまり足回りは旧車のまま。しかもフロントに185/60R14タイヤを履くのでノンパワーのステアリングは猛烈に重い。

アメリカでのカスタムといえば、エンジンスワップ。S30は前後に長いL型6気筒エンジンを搭載するため、エンジンルームに余裕がある。V8に限らずエンジンスワップに適した車体構成だ。そこで、アメリカンV8を搭載したZがドラッグレースで大活躍した。

画像: シボレー製の5.7L V8エンジンはコルベット用などのハイチューン版。さらにエーデルブロック製のパフォーマンスキットが組み込まれ、高回転型ヘッドと専用マニホールドを使ったビッグキャブレターをセットしている。

シボレー製の5.7L V8エンジンはコルベット用などのハイチューン版。さらにエーデルブロック製のパフォーマンスキットが組み込まれ、高回転型ヘッドと専用マニホールドを使ったビッグキャブレターをセットしている。

ロッキーオートでは自社開発した日産のRB型や前回紹介したトヨタの1UZスワップ車両とは別に、アメリカンV8にスワップしたフェアレディZも輸入販売している。

今回紹介するのは、とくにチューニング度が高いエーデルブロック製キットを用いたハイパフォーマンス仕様だ。

画像: エンジンの発熱量もハンパではないので、強化ラジエターに大型電動ファンを装備。日本で乗るなら電動ファンは絶えずONにしておくのが賢明だ。

エンジンの発熱量もハンパではないので、強化ラジエターに大型電動ファンを装備。日本で乗るなら電動ファンは絶えずONにしておくのが賢明だ。

搭載されたエンジンは5.7Lのシボレー製、通称スモールブロックの350キュービックインチ(約5.7L)仕様。エーデルブロック製ヘッドやキャブレターが組み込まれて、クラッチはドラッグレースで定評ある強化タイプ。トランスミッションはストリートでも使える5速MTの組み合わせ。ということでお気づきかもしれないが、このZを転がすには強靭な左足の筋力が必要だ。

画像: ベース車両はS30前期のタイプで、インパネは基本的には純正のまま。ウッド風ステアリングは輸出仕様のもので、シフトノブやステレオが社外品に変更されている。

ベース車両はS30前期のタイプで、インパネは基本的には純正のまま。ウッド風ステアリングは輸出仕様のもので、シフトノブやステレオが社外品に変更されている。

ドラッグレース用だからだろう、クラッチは普通に左足を伸ばしてもビクともしない重さ。意識して力を込めると、ようやく踏み込める感じで、たとえば都内の信号だらけの環境で乗るにはまったく適していない。

だが、エンジンは猛烈にトルクフル。重いクラッチから徐々に力を緩めると、軽々と車体をスタートさせる。しかも、通常は3000回転以上回す必要はない。シフトチェンジをサボっても、チューンドV8の轟音が高まり速度を自在に調整できる。これだけフレキシブルだと、豪快な加速が右足ひとつで楽しめる。

画像: 速度計は純正だが、タコメーターやダッシュ中央の3連メーターはAutometer製に変更されている。

速度計は純正だが、タコメーターやダッシュ中央の3連メーターはAutometer製に変更されている。

クラッチとともに、もうひとつ大変なのがステアリングの重さ。パワステなど装備されていないから、エンジンの重さと太いタイヤの組み合わせでメゲそうになる。据え切りなどできないと思っていいし、動き出しても重さは大して変わらず、急なステアリングさばきは事実上無理だろう。

画像: 純正シートはビニールレザーのみ。現車は傷みのためか中央をファブリックで張り直してある。

純正シートはビニールレザーのみ。現車は傷みのためか中央をファブリックで張り直してある。

とはいえ、これはひと昔前のチューニングカーなら当たり前の話だった。そのつもりで乗るなら、アメリカンV8の弾けるパワーを存分に味わうことができるだろう。(文:増田 満、写真:伊藤嘉啓、取材協力:ロッキーオート)

画像: 前後にスポイラーを追加し、バンパーやウインドーモールをブラックアウトした現代的なルックスだ。

前後にスポイラーを追加し、バンパーやウインドーモールをブラックアウトした現代的なルックスだ。

画像: 禁断のV8エンジンを搭載したフェアレディZについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

禁断のV8エンジンを搭載したフェアレディZについては、ホリデーオート2019年2月号でも紹介しています。

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