年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自の視点で、お届けする100分の1の映画評。
今回はようやく観たよの『カメラを止めるな』。

オチを言ってはいけない!というプレッシャーがかつてないほど高まった話題作

たった2館での公開から、瞬く間に全国数百館で公開されるにいたった、無名の監督・役者による低予算インディペンデント映画。
その斬新な設定や仕掛けにより、決してネタばらしをしてはいけないという暗黙の了解が広がり、社会現象を巻き起こした作品だ。

舞台はゾンビ映画制作現場。いかにも低予算で緩い撮影風景が、突如本物のゾンビの登場による、血の惨劇へと変わる・・・。
恐怖に逃げ惑う役者やスタッフたちをワンカットで追うカメラワークなどが話題になったが、実はこの映画は・・・という衝撃(笑劇?)の展開で多くの人々を魅了した。

僕の感想は・・・「なるほどね」

2度3度観たという人がいると聞くし、ハマる人が多かったのも分からなくはない。

ただ僕自身は観終わった後「ふーん、なるほどね」というのが正直な感想。演技もインディーズそのものだし、仕掛けを知ってしまったら2度は観ないかな、というところ。斬新なのはアイデアであって、演出やカメラワークなどの映画そのものの質感ではない。

脚本は確かに面白いと思うが、それは過去に多くのお笑い芸人が強烈なインパクトを残した一発芸に近い感じ。

ひな壇に座っても気の利いたトークができて、与えられた様々な場で才能の片鱗を見せないとあっという間に消えて「あの人は今」状態になっていく。それと同じように、本作を生み出したチームにも次を成功させなければ逆に急速に未来が閉じていく恐れがあると思う。

本作の上田慎一郎監督にとっては、非常にリスキーな側面を持った大ヒット。
次にどんな手を打ってくるのか、非常に気になるところだ。

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