本格的なオフも楽しくこなす、走りはまさにアドベンチャー

スクランブラーと名付けられてはいるが、コイツの本質はアドベンチャーバイク、それも現行モデルの中ではとびっきりのオフロード性能をもつモデルだった。

特に上級仕様のXEは、試乗会が行われたポルトガル南部の町、ファロの丘陵地帯に広がるフラットダートはもちろん、起伏の激しいクローズドのオフロードコースだってガンガン走れる。

もともとスクランブラーとは、ロードスポーツ車に改造を施し、未舗装路を走れるようにした懐古趣味的なスタイルのバイク。

スクランブラー1200はツインショックやアップマフラーといった、基本的な仕様こそその「文法」に沿ったものだが、専用設計されたフレームに200㎜を超えるロングストロークの前後サスペンションを組みあわせ、慣性計測装置付きトラクションコントロールシステム(XEのみ)をはじめとする最新テクノロジーで武装するなど、現代のバイクとしてのパフォーマンスが追求されている。

最新鋭のアドベンチャーバイクにスクランブラーの「皮」を被せたことによるメリットは、何といっても車体がスリムなことだ。

XEの車重は225㎏。

数値的にはアフリカツインより5㎏ほど軽いに過ぎないが、体感的にはもっと軽く感じる。

これは近年のアドベンチャーバイクとしては珍しく、約4000rpmという低回転で最大トルクを発生するエンジンが組み合わされていることも関係しているかもしれない。

オフロードではスロットルワークで車体の向きをコントロールできるため、乗りやすく、とても楽しい。

車体のジオメトリーはライダーから前輪が遠く、安定性を重視したもの。

ハンドリングは純粋なオフロードバイクのようにクイックではなく、悠々と走るのが得意なアドベンチャーバイク的なものだ。

細かい部分だが、レトロなルックスとは裏腹なフルカラーTFTディスプレイのインターフェイスの使いやすさにも好感をもった。

ディスプレイに表示された項目の選択は右手のジョイスティックで行うが、どの画面からでも右手のホームボタンを押せば最初の画面に戻れるため、直感的な操作が可能だ。

スクランブラースタイルのデメリットとしては、まずカウルがないので高速巡行での快適性は劣る。そしてアップマフラーは脚が熱い。

あとはフロントフェンダーが小さいため、本格的なオフロードを走るとライダーが泥まみれになることぐらいだろうか。

ツインショックのネガはあまり感じなかった。

XEとXCのどちらを選ぶか?

自分が買うならもちろんXEだが、身長182㎝でも両足つま先立ちになる車格なので、平均的な日本人体型の人にはちょっと難しいかもしれない。

また、ここまでサスストロークが長いと、さすがにオンロードではフワフワとかなり腰高な走行感だ。

よほどのオフロード好きでなければ、コンパクトで低重心なXCの方が車体との一体感もあって、気持ちよく走れるだろう。

SPECIFICATION
全長x全幅×全高 2285(2325)x840(905)x1200(1250)㎜
ホイールベース 1530(1570)㎜
シート高 840(870)㎜
最低地上高 NA
車両重量 225(227)㎏
エンジン形式 水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 1200㏄
ボア×ストローク 97.6x80㎜
圧縮比 11.0
最高出力 90PS/7400rpm
最大トルク 11.2㎏-m/3950rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 16L
キャスター角/トレール量 25.8(26.9)度/121(129.2)㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ320㎜ダブルディスク・φ255㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 90/90-21・150/70R17

PHOTO:TRIUMPH TEXT:三橋 淳、佐藤旅宇、本誌編集部

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