乗り心地とスポーツ性を絶妙にバランスさせた足回り

排気量もタイプも異なる様々な車種でツーリング的な試乗を行うことも多い僕が、日本の交通環境に合っていると感じるのは400cc以上1000cc未満のネイキッドかアドベンチャーモデル。それ以下の排気量だとエンジンの常用回転数が高くて気ぜわしく、それ以上では車体が大きくて重いからだ。

ヴェルシス650はそうした僕の好みに合ったオンロードツーリング指向のミドルツアラー。試乗したのは個性的だったフェイスデザインがニンジャ系と同じシャープなものになった2015年型だ。

画像1: 乗り心地とスポーツ性を絶妙にバランスさせた足回り

パワーユニットはニンジャ650やER-6nと同じ並列2気筒。ニンジャやERはマニア好みのスポーティーな特性で、胸のすくような高回転の伸びを見せる反面、6速・4000回転以下ではギクシャクする神経質さがある。そこでヴェルシス用は吸排気系セッティングを変更して低中回転域での粘り強さをアップ。レスポンスも穏やかなものになり、扱いやすさを大幅に高めている。引き換えにトップエンドのパワーは削られているが、このオートバイのキャラクターでレッドゾーン近辺を多用することはないだろう。

高回転での吹きづまりもないから、ツーリング中の峠道も爽快に走れる。6000回転あたりから高周波振動が大きくなってくるが、6速・100km/h時は4800回転ほどだから高速クルージングも快適。なお、高速道路と峠道をややハイペースで走り回った実燃費は約22 km/L。のんびりツーリングなら25 km/Lは確実に超えるはずだ。

画像2: 乗り心地とスポーツ性を絶妙にバランスさせた足回り

意外だったのは前後サスペンションのセッティング。このジャンルのオートバイはストロークが長くて乗り心地がいい反面、荷重変化の大きな市街地や峠道ではフワフワと落ち着きのない動きが出やすいが、ヴェルシスのサスペンションはやや硬めのスプリングで余分な動きを抑えてある。スポーティーに走らせても前後の接地感、特にフロントの落ち着きが良く、旋回中のバンク角変化に対してもしっとりとした反応。リアのプリロードはダイアルを回すだけで調整できるが、体重60 kgの一人乗りならプリロード全抜きでOK。タンデムや荷物満載時は少し締め込めばいい。

市街地ではアイポイントが高くて見通しが効き、バックミラーの視認性もいいから余裕をもって走れる。ツーリングでの快適性が評価されるモデルだが、足着きさえ気にならなければ普段使いにもお勧めできる。

SPECIDFICATION
全長×全幅×全高 2165×840×1400(1450)mm
ホイールベース 1415mm
シート高 840mm
車両重量 216kg
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 649cc
ボア×ストローク 83×60mm
圧縮比 10.8
最高出力 69PS/8500rpm
最大トルク 6.5kg-m/7000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 21l
キャスター角/トレール 25度/108mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ300mmダブルディスク・φ250mmディスク
タイヤサイズ 前・後 120/70ZR17・160/60ZR17

●PHOTO:赤松 孝

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