年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、Netflixオリジナル映画『バード・ボックス|BIRD BOX』。サンドラ・ブロック主演、助演に『ムーンライト』で主演したトレヴァンテ・ローズやジョン・マルコヴィッチなど豪華俳優陣による、衝撃のSFサスペンス。

全世界で4500万人が視聴したとされる大ヒット作

【STORY】 本作では、謎の生命体が来襲し、人類が絶滅に追い込まれる近未来を描く。その生命体は、姿を見た人間に抗うことができない自殺衝動を与えるので(その姿はモニター越しに見ることも許されないので)、人類は自ら命を断ち続け、なすすべなく駆逐されていくのだ。

生き残った人々は屋内に閉じこもり、屋外に出るときは目隠しをしてなんとか暮らしているが、孤絶された中で水や食料は乏しくなっていき、絶望的な状況へと追いやられていく。

そんな中、二人の子供とともに生き延びた女性マロリー(サンドラ・ブロック)は、謎の生命体の影響を受けずに暮らしている集団の存在を知り、彼らの元へと向かう決意をする。しかしそれは決死の覚悟を必要とする、まさしく命がけの逃避行。果たして彼女たちの試みは成功するのか、それとも??

本作は米国で公開後の10日間で、1日平均400万人が視聴したという大ヒット作。Netflixが自社スタジオによるオリジナル作品の制作に力を入れていることは周知のことと思うが、本作は全米でBirdboxchallenge(バード・ボックスチャレンジ=目隠しをしたまま自動車を運転したりするなどの危険な行為)と呼ばれる模倣行為をする十代の若年層が激増して社会問題となるほどの影響力を引き起こした。

続編を作れそうな巧みな設定

ネタバレになるのであまり書かないが、本作で人類を絶滅に追い込む謎の生命体の正体は、本作では描かれていない。人間たちが必死でこのモンスターの脅威から逃れて、どうやって生き延びるのか、というところだけが描かれている。
更に言えば、その恐怖は主演のサンドラ・ブロックと子供たちの逃走の成否に焦点を置いて描かれているので、同時進行的に他の家族や恋人たちの物語を作ることも可能だ。また、謎の生命体に対抗する術を見つけた人類の反撃を描くことも可能だろう。

実際に続編が制作されるかどうかはわからないが、姿を全く描くことができない(その分低予算でできるというメリットも大きい)モンスターを作り出すことでNetflixは金をかけずに新しい恐怖の対象を生み出すことに成功した。彼らのビジネスセンスや成長の可能性を改めて思い知らせてくれたのが、この『バード・ボックス』だと言えるだろう。

その意味で真のBirdboxchallengeは、目隠しをして行動をすることではなく、再現性のある優れた設定を持つドル箱脚本をゲットすることにあるといって差し支えあるまい。

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