日ごとに冷え込みの増す時節、皆さまいかがお過ごしでしょうか?多くのモータースポーツ同様、ダートトラックライディングに好適な"ハイシーズン"といえば、陽が長く穏やかな気候の春〜秋(ただし盛夏の日中はチョー不快!)。逆に言えば土が凍えタイヤは硬く人も汗すらかかないこれからの厳冬期を、やせ我慢して春〜秋のように過ごす必要もありません。来たる新たな一年間のシーズンスタートに向け、冬の間にしかできないこと、あるいはするべきことにはどんな選択肢があるでしょうか?本場アメリカン・ダートトラックスタイルの冬の過ごし方を紹介しながら考えてみましょう。

雪山・・・じゃなくて銀盤がキミを招いてる?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。アメリカ中西部では、冬の寒さは非常に厳しく、冬場にモーターサイクルを走らせるのにはかなり難しい環境です。が、五大湖に代表される各地の湖沼は完全に結氷することも多いため、それを逆手に専用スパイクタイヤを履かせたマシンで氷上を走る "アイスライディング" という方法があります。

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こちらがアメリカンスタイルの"レース用スパイク"を取り付けたタイヤです。トゲ状のスパイクを内から外に向かって生やしたものではなく、外から内向きに植え込まれた六角ボルトの、頭部6辺が凍結した路面を力強く捉える仕組みです。

画像: 2017 Ice Track Racing - American Flat Track Style youtu.be

2017 Ice Track Racing - American Flat Track Style

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ミシガンの凍った湖上を走るダートトラックライダーたち。自然が形成する限りなくフラットな路面で、オフシーズンのトレーニングを行うことができるため、毎年雪と氷に閉ざされることとなるこの地方から、ジェイ・スプリングスティーン、スコット・パーカー、ブライアン・スミス、ジャレッド・ミースら、多くの優れたトップライダーが育っていることは、当地ではよく知られた事実です。

画像: World Championship Ice Racing 2015 @ US Cellular Coliseum www.youtube.com

World Championship Ice Racing 2015 @ US Cellular Coliseum

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凍結した湖上でのフリーライド的トレーニングやビッグオーバルでのレースだけでなく、屋内ホッケーリンクを使ったショートオーバルでのレースも人気があります。ここではスパイクタイヤを履いたマシンの接触によるトラブルを減らすため、深く車輪を覆う追加フェンダーの装着が求められます。

寒風に負けず"開幕に向けてアッタメる"ためのライディングを追求。

寒さで体力が奪われ身体の動きも硬くなり、路面は乾燥し過ぎたり霜が降りたり。タイヤの温度すらも上がらない冬ならではの好条件といえば、マシンのエンジンにとって冷却効率が上がるくらいのものです。普段メインで乗るマシンは春からのシーズン開幕に向けて入念な整備をすることにして、より扱いやすい小型軽量な練習車での体力づくり、特訓の期間と位置づけるのはいかがでしょうか。

画像: Area51 Films Present The Colin Edwards Texas Tornado Boot Camp youtu.be

Area51 Films Present The Colin Edwards Texas Tornado Boot Camp

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こちらは元GPライダーのコーリン・エドワーズが運営する "テキサストルネード・ブートキャンプ" 。後半の余興はワイルドなご当地テキサスならではですが、粒のそろった小型のトレーニング用マシンで集団で走行する "ドッグファイトスタイル" はメンタルとフィジカル両面の強化という点で、とても魅力的に感じられますね。

寒い季節はヌクい室内で・・・??。

彼の地では寒風吹きすさぶ屋外から逃れてインドアトラックでレースを行うオプションもあります。こちらはラス・ベガスのサウスポイント・カジノリゾートでのコンクリートオーバルレースの模様。

画像: Las Vegas Gene Romero Indoor Flat Track Race at South Point Arena youtu.be

Las Vegas Gene Romero Indoor Flat Track Race at South Point Arena

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やがて来るハイシーズンの到来に向けて、じっくり刃を研ぎ盾を磨け。

春を迎えよい気候のなかで走れる時節となれば、あるいはあなたの参加するレースシリーズの新たなシーズンがいったんスタートしてしまえば、毎週のようにレーストラックへ足を運び、マシンのタイヤをやたらと擦り減らす日々が再び始まります。寒くて外に出る気にするならないこの時期にこそ、来期一年安心してマシンを走らせるため、念入りなメインテナンスに充てる時間として捉えるのも良い考えでしょう。

画像1: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

マイナートラブルの原因を未然に断つためには、自身のマシンを詳しく観察し状態を知ることが重要です。ライダー自身の体力の維持向上という意味では、マシンに乗る以外にもジムトレーニングやロードワークを取り入れる方法もあります。

画像2: 撮影: 中尾省吾

撮影: 中尾省吾

と言いつつ筆者主宰のレース団体FEVHOTSは、今週末12月23日(日)に埼玉県川越市のオフロードヴィレッジ・ダートトラックにて今期最終戦を開催予定。シーズン中盤でのレース中止による順延日程での開催ですが、つくづくこのスポーツは暑さ寒さや空模様など自然環境を選ぶヤツだなぁと痛感しております。ご興味おありの方は是非とも、寒風吹きすさぶレーストラックへお越し下さいませ。

ではまた金曜の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!

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