年間100本以上の映画を観ては極力穏健な感想を綴るこのコーナー。
今回紹介するのはパンクロックが炸裂する?奇妙奇天烈な青春映画『パーティで女の子に話しかけるには』。

一見カルト集団?のような人々の中で画一的なルールに反抗する一人の少女。その少女に恋をするパンク少年。意味不明なエネルギーに溢れた、奇妙キテレツな一作

画像: 映画『パーティで女の子に話しかけるには』予告編 12月1日(金)公開 youtu.be

映画『パーティで女の子に話しかけるには』予告編 12月1日(金)公開

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舞台は1977年のロンドン郊外。
パンク大好き少年エンと悪友2人は、パンクバンドの打ち上げ会場に潜り込むつもりが、ひどく風変わりな人々が集まる不思議なパーティに迷い込む。エンたちは、あまりに奇妙な彼らをカルト集団と思い込むが、実は彼らは別の惑星からきた異星人。人間との接触を避けてひっそりと暮らす彼らの営みに、エンたちは偶然にも入り込んでしまったのだ。

エンは、そこで出会った1人の美少女ザンの不可思議な言動に戸惑いながらも魅了されてしまう。そして、エンが外部の人間(というより地球人)だと知ったザンに、エンが夢中になっているというパンクを見てみたいと懇願されたエンは、言われるがままに彼女を家に連れて帰るのだった。

わずかな時間に恋に落ちたエンは、ザンをパンクのライブに連れていく。パンクが持つ奔放かつ反抗的な、自由を大胆に求めるエネルギーに共感するザン。エンとともに地球に残りたい想いを強く持ち始めるザンだったが、地球を離れて別天地へと旅立つ準備を始めた仲間たちが彼女を連れ戻そうとライブ会場に集結していたー。

画像: gaga.ne.jp
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美しいが奇妙な少女ザンをエル・ファニングが、そして街のパンクロッカーたちのカリスマ的女性ボスをニコール・キッドマンが生き生きと演じている。
(彼女たちの、ブレードランナーのレプリカントライクなメイクは最高にクール)

タイトルこそラブコメ風だが、ベースとなっているのは同名のSF短編小説。そこに強烈なパンクテイストが加味され、なんとも摩訶不思議な青春映画ができあがった。

パンクミュージックに彩られた、なんとも不思議なSF映画

タイトルこそ、オタクでナイーブなチェリーボーイ向けの恋愛指南映画のようだが、中身は全然違う。主人公は、ヤバめなカルト集団に囚われた美少女に惚れて、彼女を救い出そうと考えるパンク少年なのだが、実はカルト集団ではなくて異星人のコロニーであり、当然彼女も異星人だったという、ぶっ飛んだ設定。

正直なんの前情報もなしに観た僕は、あまりにも意外な内容に目を白黒させたのだが、内容自体はぶっ飛んでいても、映画そのものは悪くない。悪くないどころか(10代の頃はパンクファッションにハマっていた僕からすると)かなりサイケでカッコいい。

無邪気というか(地球人との接触を極力避けていたからこその)極端な天然ぶりを見せるザンは、ナチュラルにエロティックで(恐らくは童貞の)少年エンには結構刺激が強い。だけどそれがたまらない魅力になって、エンはどんどんザンにどハマりしていく。というより、エンでなくても(男なら誰でも)、エル・ファニング演じるザンのような長身美少女の、エキセントリックだけどエロ可愛い言動にはノックアウトされてしまうだろう。

毀誉褒貶が激しそうな映画だが、僕は十分楽しめたし、面白かった。心に残る感動も用意されている、タイトルと内容が違うという羊頭狗肉さは心憎いサプライズとして受け入れられる作品だと思う。

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