ジャズの魅せられた高校生 宮本 大(ミヤモト ダイ) が、世界一のジャズプレイヤーになるために、”相棒”のテナーサックスとともに奮闘。
なれるかなれないか、とか、なりたい、ではなく、世界一になる!と言い切りひたすら前進する熱い音楽青年の一直線な青春に、老若男女を問わず拳を握りしめて叫びたくなるほど熱くなれるはず!
小学館 ビッグコミック連載『BLUE GIANT』→『BLUE GIANT SUPREME』でいますぐジャズれ!

雪道をまっすぐ前だけを見て歩く猫のように、脇目も振らずひたすら目標に向かって突き進む宮本大の熱い青春

本作は、情緒あふれる街 仙台のバスケ部で仲間たちとの熱血高校生活を送っていたはずの少年が、ふとした偶然からジャズにはまり、テナーサックスを手にしたことから世界一のジャズプレイヤーを目指すというストーリーです。

主人公の宮本大は、家計を助けて工場で働く長兄がなけなしのお金をはたいて買ってくれたテナーサックスをこよなく愛し、寸暇を惜しんで練習します。雨の日も雪の日も、どんなに疲れていようと眠かろうと練習し続けます。そして、上手い下手を超えた、聴く者の心を動かす本物の音を習得するのです。
ある雪の日に、あまりの寒さにさすがに途方に暮れる大の前に、雪道を淡々とまっすぐ歩いていく猫が現れるのですが、大はその姿にこそ自分があるべき姿を見出します。脇目も振らずひたすら目標に向かって進めばいいのだと。

そして、周囲の大人たちも、大の熱い想いや奏でる音に共鳴するかのようになにかと助けてくれます。プロになれるかどうかわからないけど頑張ってみようとか、世界一になれないかもしれないけどやってみようとか、そんな中途半端さは大にはありません。そんなことは微塵も考えず、とにかく世界一のジャズプレイヤーになるためだけにすべての時間と想いを捧げる、それが宮本大なのです。

ちなみにタイトルのブルージャイアントとは、青色巨星のことです。青色巨星とはあまりに高温なため赤を通り越して青く光る巨星です。

楽譜も読めず、完全に独学でサックスを勉強してきた大に、基本的な考え方やテクニックを教える事になる元サックスプレイヤーは若い頃、世界一輝くジャズプレイヤーを「ブルージャイアント」と呼んでいました。彼は宮本大がブルージャイアントになれるかもしれないという想いを抱いていたのです。

画像: bluegiant.jp
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あれこれ言い訳を考えるまえに行動することの尊さを教えてくれる傑作

第一部である『BLUE GIANT』はやや寂しく切ないエピソードで全10巻でいったん幕を閉じます。夢を追いかけて仙台から東京にでた大が出会う、新たな友人やメンターたちとの熱く激しいふれあいは、胸をかきむしるくらい感動的ですが、その中で止まることをよしとしない大は、ある事件をきっかけに、東京を出て海外で武者修行を続けようと決意するのです。
そして第二部と言える『BLUE GIANT SUPREME』では、単身ドイツにわたり、さまざまな人や音楽と出会うに連れて、ソロでプレイすることの限界を知った大が、バンドを組むことを目指して奮闘します。
一癖も二癖もある強者と出会う大ですが、彼の姿勢にはわずかなブレもありません。ひたすらジャズに没頭していくさまは、小気味好く、ともすれば弱気になりがちな自分たちの日々を反省させられるものです。

あなたがまだ若いなら、本書は必ず夢を追おうとするあなたの背中を押してくれます。もしあなたが人生の半ばにさしかかっていたとしても、本書はきっとまだまだ何かを目指し成し遂げることを夢見る時間や機会があることを教えてくれるでしょう。

人生、生きている限り黄昏ている時間はありません。さあ、一緒にブルージャイアントを目指して頑張りましょう。本作はそういう気力を与えてくれる名作です。

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