年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、天才的な数学の才能を持つ少女エミリーと、姉の遺志を受けてエミリーを育ててきた叔父フランクの強い絆を描いた『gifted/ギフテッド』。

我が子が類まれな天才であると知った時、あなたならどうするだろうか?

主人公のフランクを演じるのは「アベンジャーズ」シリーズでキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンス。
フランクは、7年前・若くして自ら命を絶った天才数学者であった姉の一人娘エミリーを引き取り、フロリダの田舎町でひっそりと暮らしてきた。エミリーは母親の才能を受け継いでおり、7歳にして高度な数学を理解する稀有な天才だったが、フランクは姉の遺志を継いでエミリーを”普通の子供”として育てようと努力している。

フランクは普通の学校にエミリーを入学させるが、すぐさまエミリーの異常なまでの天才ぶりを皆が知ることになり、やがてフランクの実母でありエミリーの祖母であるイブリンが、エミリーに英才教育を受けさせようとフランクの前に姿を見せる。

あくまで普通の生活をエミリーに送らせようとするフランクと、偉大な数学者になるための環境を与えようとするイブリンは激しく対立し、やがて親権を争う裁判へと発展していく・・・・。

驚異の天分を与えられた<ギフテッド>少女に、普通の暮らしをさせたいとする叔父と、何を犠牲にしてでも才能を伸ばすことこそ愛情と信じる祖母の、それぞれの主張に見る究極の選択を描いた感動作。

心を震わせる感動作

愛する娘の親権を奪われようとする父親(フランクは実の父親ではないが)、という姿は、ショーン・ペンとダコタ・ファニングの「アイ・アム・サム」を彷彿させる。
しかしフランクは姉ほどではないにしても、人並み以上の頭脳を持ち、実際に大学の准教授として働いていたほどの人物である。しかし、自殺した姉からエミリーを託されたことで、彼は自分の人生を犠牲にしてエミリーを護っていくことを優先してきた。

実際にもし自分にエミリーのような、愛らしく、そしてずば抜けて賢い娘がいたら(数学的才能でなくても、アスリートとしての可能性でもいい)、フランクのように振る舞うか、それともイブリンのような指導を望むだろうか。正直どちらがエミリーのためになるのか、判断に迷うところだろうと思う。(インドのレスラー姉妹を育て上げる感動作である「ダンガル きっと、つよくなる」とは真逆の話になるが、それは環境の違いもあると言わざるを得ない)

姉の遺志によって赤ん坊を引き取ったものの、すぐに彼女そのものへの愛に目覚めて、自分の全てを犠牲にすることを決意する孤独な男フランクを、クリス・エヴァンスは抑えた演技で見事に演じている。そしてエミリー役のマッケンナ・グレイスも正しく人に愛されてきたことで小生意気だけれど確かに愛らしい少女をきっちり演じてくれている。

二人の名演技は涙無くして見られないはずだ。

画像: 『gifted/ギフテッド』5.23先行デジタル配信/6.2ブルーレイ&DVDリリース youtu.be

『gifted/ギフテッド』5.23先行デジタル配信/6.2ブルーレイ&DVDリリース

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