元6階級制覇王者のマニー・パッキャオがWBAウェルター級正規チャンピオンのルーカス・マティセに挑戦。試合結果は、終始パッキャオが優位に進め、第7ラウンドでTKO勝ちを収めた。(パッキャオとしては初のWBAタイトル獲得)

アジアの英雄マニー・パッキャオとは?
対戦相手のルーカス・マティセとは?

マニー・パッキャオはメジャー世界タイトルで6階級制覇をした怪物。パワフルなパンチを持ち、常にKOを期待させるファイター型で、相手を追い回すアグレッシブな戦い方から(パッキャオという名前にかけて)パックマンというニックネームを持つ。
母国フィリピンでは英雄扱いされており、下院議員として政治活動も行っている。知名度は群を抜いているから将来の大統領候補と言っていいかもしれない、二足の草鞋ならぬ二足のシューズを履く、超スーパースターだ。これまでの戦績は、68戦59勝38KO 7敗 2分。

今回は、2017年6月にオーストラリアのサンコープスタジアムで行われた、WBO世界ウェルター級タイトルマッチで、対戦相手のジェフ・ホーンに判定で敗れて王座を失って以来の復帰戦となる。

挑戦者に立場を変えて戦うことになったパッキャオの相手は、アルゼンチン出身の強打者ルーカス•マティセ。41戦39勝36KO 4敗1無効試合、という戦績を誇っており、ニックネームはKOマシン。
今年40歳(2018年12月17日生まれ)になる年齢からも、もしこの試合で敗れれば即引退となることが噂されていたパッキャオ。とはいえ、現王者のマティセも35歳であり、本タイトルマッチは超ベテラン同士の戦いとなっている。

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試合速報!果たしてパッキャオの9年ぶりのKO勝利は?

マレーシアの首都クアラルンプール(KL)でのビッグマッチは1975年に行われたモハメド・アリ vs ジョー・バグナーのタイトルマッチ以来。ずば抜けて速い踏み込みを武器に6階級を制したパッキャオに対して敵をなぎ倒す威力を持つフックのマティセの一戦は、互いのファイトスタイルからKO決着必至との前評判が高かった。

両者の戦いは、真っ向から打ち合う形で始まった。サウスポースタイルで、鋭い踏み込みでジャブを飛ばすパッキャオ。ガードを固くしながらもフック系のパンチを振るうマティセ。
どちらからといえばプレッシャーを先に掛けていくのはパッキャオで、むしろマティセの方がリングを左に回りながら死角を探す展開になっていく。

最初の波乱があったのは第3R。速い踏み込みから放たれたパッキャオの左アッパーにマティセがダウン。ただダメージは少なく、立ち上がると何事もなかったかのようにパンチを振るう。
とはいえ、パッキャオの勢いが増すのは止められない。全体としてラウンドをコントロールしたのはパッキャオだった。

第4Rに入ってもパッキャオの自由自在のボクシングは輝きを増すばかり。ダウンのダメージはなくまだまだ元気なマティセだが、劣勢を跳ね返す糸口を見つけられない。打って出るとパッキャオの軽いカウンターで顔を突き上げられる。ただ手数は多く、闘志は健在だ。

しかしコツコツと突かれているだけにみえても徐々にダメージはたまる。第5Rには自らリングに膝を着きダウンを奪われてしまうマティセ。頭を左右に振りながら動くパッキャオの(前後に速い)フットワークに翻弄され、自慢の強打を当てられないことに対するフラストレーションが溜まってきているとも言えるだろう。

場内は、2009年11月14日のミゲール・コット戦にTKO勝ちして以来のパッキャオのKO勝ちを期待し始める。

大きな歓声の中、その瞬間は訪れた。
恐らく最初のダウンから得た確信があったのだろう、ワンツーのタイミングで放たれたパッキャオの左アッパーがマティセの両腕のガードの下側から入り込み、見事に顎を捉える。たまらずダウンするマティセはマウスピースを吐き出してしまう。戦意喪失とみたレフェリーがカウント半ばで試合を止め、ここで勝負あり。

最初から試合を優位に進めたパッキャオが、9年ぶりの劇的なKO勝利で初のWBAタイトルを獲得した。

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