過去5作の全世界累計興行収入が43億7700万ドル(約5000億円)を突破した大ヒットシリーズ『トランスフォーマー』の最新作 『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017年夏、日本公開)。
金属生命体「トランスフォーマー」が、正義の戦士「オートボット」と悪の軍団「ディセプティコン」に分かれ、激しい戦いを繰り広げる本シリーズでは、激しい戦闘シーンと華麗なCGが見ものだが、今回はアーサー王伝説をモチーフとして1000年に渡るトランスフォーマーと人類の交流を描いている。
アクションは最高だが、ストーリーはいつもながら難解(苦笑)の大エンターテインメント。

前作『トランスフォーマー4/ロストエイジ』(2014年)で人類の敵扱いになったオートボットたちの”その後”と、人類とトランスフォーマーの接点を描く

地球を滅ぼそうと企むメガトロン率いるディセプティコンを向こうに回して、常に人類の味方として戦い続けてきたのが、リーダーであるオプティマス・プライムとオートボットたち。

しかし、前作『トランスフォーマー4/ロストエイジ』でトランスフォーマー全体が地球の脅威であるという考え方が人類側に浸透し、トランスフォーマーを駆逐することを目的に作られた組織TRF(Transformers Raction Force)が発足する。
オプティマスは、トランスフォーマー同士の争いの原因を作った、自分たちの創造主を求めて宇宙へ飛び立ち、人類の味方であるはずのオートバットたちは徐々に地上に居場所を失っていく。

地上に残ったオートボットたちを匿うのは、前作で主人公となった二流の発明家ケイド・イェーガー(マーク・ウォールバーグ)。彼は妻に先立たれ、娘と離れ離れになりつつも、バンブルビーらオートボットへの恩義を忘れず、彼らと行動を共にしていた。

宇宙に飛び立ったオプティマスは、荒れ果てた廃墟となった母なる惑星サイバトロンにたどり着くも、創造主と名乗るクインテッサによって地球を滅ぼすように洗脳されてしまう。同時にクインテッサは惑星サイバトロンを地球に向けて接近させる。

TRFによって追い詰められていくケイドたちだが、そこに救いの手を差し伸べたのはイギリスの老貴族エドマンド(アンソニー・ホプキンス)。彼はトランスフォーマーと人類の交流はアーサー王時代から1000年にわたっていると説明。アーサー王の右腕であった魔術師マーリンが、その頃初めて地球に降り立ったトランスフォーマーから譲り受けた魔法の杖を使うことで、”魔法”を使っていたのだという。

そして、サイバトロンの接近を止め、クインテッサの野望を挫くことができるのは、その魔法の杖しかないとエドマンドは説明する。

ケイドは、マーリンの直系の子孫であるという学者のヴィヴィアンと共に、魔法の杖を探し始めるが・・・

複雑なストーリーと速すぎるアクション、似たような機械の造形が混乱を呼ぶも、どっちにしてもかっこいいから観てしまう映画・・・

僕はトランスフォーマーシリーズは全部観ている。アニメやトイには全く興味もないし、思い入れもないのだが、華麗すぎるアクションや、車や飛行機などからロボットへと見事に変形していくトランスフォーマーたちの姿は、敵味方関係なく観ているだけで楽しいから、ついつい楽しみにしてしまう。

正義のトランスフォーマー(オートボット)vs悪のトランスフォーマー(ディセプティコン)の戦いに人類が巻き込まれる、という構図の中で、確かに人類が”どっちのトランスフォーマーもいなけりゃ平和なんじゃね?”と思ったとしても不思議はないw。結局そういう気分になって、人類はトランスフォーマーたちを地球から追い出そうとする。

すると、自分たちでは手に負えないほどの規模の災厄(惑星サイバトロンが地球に接近)が起き、結局人類はオートボットに頼ることになる、そういうストーリーなのだが、そこにアーサー王時代から始まり、第一次・第二次世界大戦などでも常に人類と関わってきたトランスフォーマーたちの、密かな歴史が語られ、シェイクスピアからチャーチル、ホーキング博士にいたるまでその関係者であったという驚き(笑)の秘話まで明かされ、なんだか話がごちゃついてきてよくわからなくなってくるのである。

そもそもアーサー王とマーリン、円卓の騎士などは、最近の日本人(特に若年層)にはちんぷんかんぷんだろう・・・(僕は割と好きで昔から親しんできたけどね)。ちょっと時代や市場に合っていないエピソードを入れ込んでくるのは、最近の大作映画、シリーズ物の悪い癖ののように思う。

とはいえ、冒頭に書いたように、トランスフォーマーシリーズはストーリーではなくアクションで見る映画で、キャラの造形美や、変形そのものの美しさを楽しめばいいので、細かいことは言いっこなし、というところ。

ツッコミどころ満載ながら、それ自体を楽しむ。気分をトランスフォームして世界観にどっぷりハマる、それが正しい鑑賞法である。

画像: 『トランスフォーマー/最後の騎士王』日本版 本予告 youtu.be

『トランスフォーマー/最後の騎士王』日本版 本予告

youtu.be
コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.