それぞれのキャラに合わせて快適さの「質」が違う

ネオクラシック、ビンテージ、レトロ…。何かとそうしたワードがつきまとう3台だが、先入観なしで見れば、どれも気負わずに乗れるベーシックなロードスポーツ。様々なレベルのライダーが、公道を常識的なペースで走ることを前提に作られている。

ピークパワーではなく、常用回転域でのスムーズさと力強さを重視したエンジン特性と、バンク角や前後タイヤに掛かる荷重量に影響されにくいハンドリング、上半身の前傾度や着座位置の自由度が大きいハンドル/シート形状、腰や膝への負担が少なく、ホールドしやすいステップ位置のライディングポジションも3台の共通点だ。

画像: それぞれのキャラに合わせて快適さの「質」が違う

郊外や高速道路でのクルージングが快適なのはCB。252㎏という車重なので取り回しではズッシリ重いが、その車重ゆえに直進安定性がすこぶる高く、横風を受けてもビクともしない落ち着きが魅力だ。6速・100㎞/h時のエンジン回転数も2800回転ほどで、振動もなくユルユルと回るジェントルな特性。大柄なライディングポジションと併せ、心身共にリラックスして走れる。

XSR900はCBとは逆に、軽い車体とレスポンスのいい3気筒エンジンが生む俊敏さが持ち味。一定の速度を保つような走りよりも、状況に応じて走行ペースを変えるアクティブなライディングに合っている。

ツーリング中には峠道を走ることも多い。コーナリングが楽しいのはXSRとZだが、ツーリングペースでライダーの負担が少ないのはZ。ピックアップのいいエンジン特性と車重よりも軽く感じるフットワークで、スポーツネイキッドモデルのような鋭い走りと、何も考えずに流して乗っているときの気楽さがうまくバランスしている。XSRは3気筒エンジンが鋭く反応し、車体のピッチングモーションも大きめなので、そうした反応を折り込んで操れるライダーにとっては実に面白い。このスポーツライクな挙動に慣れていないライダーにとってはリズムが掴めず、乗りにくく感じるシーンもありそうだが、これがオートバイと車体の一体感を大事にしたXSR独自のキャラクター。

走りの質で比較するなら、ツーリングシーン全般で乗りやすいのはZで、ゆったりクルージングはCB、スポーツ性ならXSRといったところ。現在ニンジャ1000でツーリングを楽しむ僕が乗り換えるとすれば、ZかXSRかで相当悩むだろう。

太田安治が検証! 気になる『クルージング適性』

太い排気音もステキなBGM KAWASAKI Z900RS

Z1の再来的なあおり文句をよく見かけるが、リアルにZ1を知る世代の僕が見ると「Z1に似た部分もある」程度。走りに関してもZ1とは比較にならないほど扱いやすく、圧倒的に速い。ツーリングペースでのシフトアップポイントは3000回転あたりで、充分なトルクが出ているので軽やかに速度が乗っていく。大きめにスロットルを開けたときのズ太い排気音も気持ちのいいBGMだ。ゼロ発進も楽だが、低中回転域でのレスポンスの良さゆえに、1〜2速で不用意にスロットルを開けると想定以上の鋭い加速に面食らう。常識的なペースで走るなら、早めにシフトアップして一段高いギアを使った方がスムーズで疲れない。

画像: KAWASAKI Z900RS SPECIFICATIONS ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●総排気量:948cc●最高出力:111PS/8500rom●最大トルク:10.0kg-m/6500rpm●車両重量:215kg●燃料タンク容量:17L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:129万6000円(ブラウンは132万8400円)

KAWASAKI Z900RS SPECIFICATIONS
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●総排気量:948cc●最高出力:111PS/8500rom●最大トルク:10.0kg-m/6500rpm●車両重量:215kg●燃料タンク容量:17L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:129万6000円(ブラウンは132万8400円)

ソフトなサスをどう使うかがキモ YAMAHA XSR900 ABS

実効ストロークの大きな前後サスペンションで、流して走っているとソフトな乗り心地で、大きめの段差を超えたときの安定性も3車中ナンバー1。加減速がハードになるにつれてピッチングモーション(車体の重心を中心とした縦方向の動き)が大きくなるので、ツーリングシーンではパワーモードを「STD」、濡れた路面やタイトターンの続く峠道では「B」に設定しておくと、こうしたピッチングを抑えやすい。高速道路クルージングでは3気筒エンジン独特のギュルギュルといったサウンドを楽しめ、追い越し加速時に漲るパワーを堪能できることもXSRだけの魅力。落ち着いたデザインに反して、中身は結構なじゃじゃ馬だ。

画像: YAMAHA XSR900 ABS SPECIFICATIONS ●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒●総排気量:845cc●最高出力:116PS/10000rom●最大トルク:8.9kg-m/8500rpm●車両重量:195kg●燃料タンク容量:14L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:104万2200円

YAMAHA XSR900 ABS SPECIFICATIONS
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒●総排気量:845cc●最高出力:116PS/10000rom●最大トルク:8.9kg-m/8500rpm●車両重量:195kg●燃料タンク容量:14L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:104万2200円

上質さをゆったり楽しむのが正解 HONDA CB1100RS

兄弟車のCB1100EXと比べると戦闘的なルックスになっているが、実際はゆったりとツーリングを楽しめるキャラクター。今や貴重な空冷エンジンは90馬力と控えめなパワーだが、最大トルクは3車中最も大きく、しかも5500回転という低めの回転で発生するので、雑なシフトワーク、スロットルワークでも実にスムーズかつ力強く反応する。昭和の名車CB750fourを思い起こす排気音、ずば抜けた直進安定性でクルージング中の快適さは文句なし。ただし252kgという車重はZより37kg、XSRより57kg重く、取り回しには慣れと体力が必要だ。各部の仕上げは国産車の中で最も美しく、眺めているだけで所有感が満たされるだろう。

画像: HONDA CB1100RS SPECIFICATIONS ●エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●総排気量:1140cc●最高出力:90PS/7500rom●最大トルク:9.3kg-m/5500rpm●車両重量:252kg●燃料タンク容量:16L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:137万8080円

HONDA CB1100RS SPECIFICATIONS
●エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒●総排気量:1140cc●最高出力:90PS/7500rom●最大トルク:9.3kg-m/5500rpm●車両重量:252kg●燃料タンク容量:16L●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17■価格:137万8080円

(写真/赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔)

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