世の中には変わったモーターサイクルがたくさんありますが、WW2の時代に作られたドイツのケッテンクラートという乗り物は、モーターサイクルとタンクの混血みたいな、とてもヘン・・・もとい不思議な乗り物です。

製造はあのNSUがメインで担当!

ケッテンクラートは操舵系がモーターサイクル風、そして駆動部がタンクのような無限軌道をしているのが特徴です。なんでこんなヘンテコな乗り物を軍用に作ったのか不思議に思いますが、WW2の欧州戦線はドロドロの荒野が戦場になりましたから、走破性サイコーの無限軌道を駆動に使うのは正しい選択だったといえるでしょう。なお戦場では、主に牽引車として活用されました。

むしろ、なんで操舵がモーターサイクル風なのか? これは2輪的な構成により乗り手が直感的に操作できるようにするため・・・という話を聞いたことがありますが、ミーハー系ライト・ミリオタの私には真相がわかりません(苦笑)。なおこの操舵システム、大きく切るとイン側の履帯が減速するので、小回りが効くようになっています。

タンクでおなじみの、左右の履帯を互いに逆行させてその場でクルリと回る「超信地旋回」はできませんが、車体の中心から約4メートルの最小回転直径というので、ケッテンクラートの小回り性能はまあまあなものとも言えます。なお、路面状態が悪く前輪が抵抗になるようなシチュエーションでは、前輪を外して走行したりしたそうです!

画像: 戦場でのケッテンクラートの勇姿。その製造をメインで担ったのは、戦前・戦後モーターサイクルメーカーとして活躍したNSUでした。 de.wikipedia.org

戦場でのケッテンクラートの勇姿。その製造をメインで担ったのは、戦前・戦後モーターサイクルメーカーとして活躍したNSUでした。

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雪山や田んぼで、遊びたくなります?

ケッテンクラートのエンジンは自動車の、オペル・オリンピア用水冷4ストローク1.5リッターOHV4気筒をベースとするものです。最高出力36馬力で車重は1,560kgもあるのでかなり走りは鈍重そうに思えますが、その駆動力を活かしてオフロードではなかなかキビキビ走ります(最高速度は70km/hです)。

画像: ケッテンクラートのコクピット。写真ではわかりませんが、左足クラッチと右足ブレーキがフロアにはあります。操縦者の股の間からは、前3/後1速の変速機、そして副変速機のレバーがはえています。 de.wikipedia.org

ケッテンクラートのコクピット。写真ではわかりませんが、左足クラッチと右足ブレーキがフロアにはあります。操縦者の股の間からは、前3/後1速の変速機、そして副変速機のレバーがはえています。

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こちらの動画は、ケッテンクラートの走行シーンをおさめたものです。なかなかの走破性で、動画を見ていると自分も荒地をケッテンクラートで走って遊びたくなりますね。

画像: NSU KETTENKRAD youtu.be

NSU KETTENKRAD

youtu.be

そしてこちらは、オランダのイベント「ミリトラックス2012」の様子をうつしたもの。こんな多くのケッテンクラートがゾロゾロと行進するなんて! びっくりです。どこに置く? 何に使う? かはさておき? 乗り物好きなら1台欲しくなっちゃうのではないでしょうか?(私だけ?)。

画像: Militracks 2012 - Parade of NSU Kettenkrads.MTS youtu.be

Militracks 2012 - Parade of NSU Kettenkrads.MTS

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