初代ミニスカポリス、プロ雀士、キャットファイター等々、肩書の幅広さは二輪業界人の中でも随一。もちろんオートバイも大好きで、街乗りからツーリング、スポーツ走行もこなす江戸っ子娘の福山理子が織りなすモーターサイクル・ストーリー Vol.4

そう、あたしはいつもバイクよ

画像: そう、あたしはいつもバイクよ

学生時代にヨーロッパを一周した。淑女たちをたくさん目で見たからかもしれない。いつか、 あんな素敵なワンピースを着てみたいって、そう思ってた。

だけど、ヒールの高い美しいサンダルは、赤い絨毯を歩くためのものだけにあって、きっと、いい車に乗った紳士が迎えにきてくれるような人が履くんだろう。普段に履いたらすぐに折れてしまうし、傷が付く。

あたしの現実といえば、迎えにきてくれるようなダーリンはいないし、バイクが移動の全てだ。

でも、あたしはパーティーにだってバイクで行く。だってライダースジャケットは脱いじゃえばいいんだから。靴なんて履き替えればいいんだから。

あたしの夢の一つに、柔らかな黒いワンピースとピンヒールだけを持って外国を旅してみたいってのがある。昼は砂や埃でザラザラなるほど走り、夜になったら着ていたものを雑に脱ぎ、それに着替えて街に出る。

そんなことを考えながら、あたしは会場の前でバイクを停め、ジャケットとパンツを脱ぎ、ヘルメットに突っ込んでヒールに履きかえる。コツコツと音を立てながら歩き出して、素敵な彼ができたって同じ選択だろうな。と思って少しニヤけたりする。

うふふ。ドレスもハイヒールもバイクもあるなんて、あたしは憧れていたものよりも贅沢な暮らしをしているにちがいない。

「もちろん今日もバイクで来たわ」

お酒を呑まなくても、あたしは自分のこのセリフに酔っぱらう。

「さあ、乾杯しましょう」

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