三菱自動車の初代プラウディア/ディグニティは、ブランドのフラッグシップらしくV8エンジン(V6もあった)を搭載しながらもFF方式を採用するという稀有な存在だった。しかし、最近のプレミアムレンジモデルはFR(ベース)を採用していることが多い。その理由を分析してみた。
画像: 1999年に発表された三菱のプラウディア/ディグニティはFFを採用していた。

1999年に発表された三菱のプラウディア/ディグニティはFFを採用していた。

エンジンの鎮座はフロントに縦置きが都合良し。ハイブリッドはさらなり

FFがメインとなった現在でも、プレミアムレンジのクルマでFR方式をとっている理由は、今までの【くるま問答 FR編】のなかにあると言える。ここではプレミアムにふさわしい大排気量マルチシリンダーエンジンをフロントに搭載するクルマで考えてみる。

クルマに前進しようとする力がかかれば、荷重はリアに移る。もしこのクルマがFFだった場合、大パワーを一気に前輪へかけると必然的にホイールスピンを起こし、駆動力を十分に路面に伝えることはできない。FFでカバーできる馬力は、現代のクルマでも400ps程度と言われているから、それを超えればFR化が必要ということでもある。

画像: FRは構造上センターコンソールのスペースをとる。しかし、大型車ならば相対的に気にならない。

FRは構造上センターコンソールのスペースをとる。しかし、大型車ならば相対的に気にならない。

また、プレミアムレンジともなれば6気筒から12気筒までのエンジンが搭載されることもある。そこにトランスミッションが続く。ダウンサイジングの潮流にある現代とはいえ、ハイブリッド化にも対応する必要がある。その場合、モーターや制御ユニットもエンジンの後ろに置くことになる。もし、これをFFで実現するとなると、その長いエンジンやハイブリッドシステムを横置きすることになり、非現実的。

フロントタイヤはパナール・エ・ルヴァッソールと同様に荷重のかかった状態で操舵だけに集中させることで、安定したコーナリングが可能となり高級車にもふさわしい味付けができる。

プレミアムレンジといえば、サイズ的にもEセグメント以上となる。このサイズとなればFFでのメリットといえる横置きエンジンでコンパクトなエンジンルームとし、室内を広くすることに執着する必要も少ない。こんな諸条件がプレミアムレンジでFRを採用される理由と言えるだろう。

文:飯島洋治

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