月刊カメラマン誌「ジャンル別フォト講座」にて好評連載中「ネイチャー・マクロ」の講師・並木隆さんによるWebカメラマンスペシャルセミナー、その3です。このセミナーをもっと知りたい方は月刊カメラマン誌2017年5月号別冊付録をご参照ください。この短期連載は付録よりの引用です。並木さんの「スナップ」講座は月刊カメラマン誌で好評連載中です。記事の詳細は以下URLをご参照ください。

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ドラマチックな雰囲気を演出、「シルエット」のススメ

逆光系の撮影ですが、逆光じゃないとできない「シルエット」の作画をテーマにしたいと思います。シルエットとは、明るい背景をもってくることで被写体との明暗差を作り、被写体を暗くすること。逆光ではプラス補正して被写体に露出を合わせることが一般的ですが、あえて被写体を暗くすることで、被写体の輪郭だけを強調させたり、ドラマチックな雰囲気を演出できる表現です。

画像: ▲タンポポの綿毛に寄ってひとまわり大きく撮ると、夕日も大きくなる。夕日を大きくフレーミングしていないので対角線上に配置したが、もう少し大きかったら綿毛と夕日を重ねてもOK だ。 ■ EF18-135mmF3.5-5.6IS 絞りF5.6 マイナス0.7 露出補正 WB:日陰 ISO200

▲タンポポの綿毛に寄ってひとまわり大きく撮ると、夕日も大きくなる。夕日を大きくフレーミングしていないので対角線上に配置したが、もう少し大きかったら綿毛と夕日を重ねてもOK だ。
■ EF18-135mmF3.5-5.6IS 絞りF5.6 マイナス0.7 露出補正 WB:日陰 ISO200

高い位置の太陽は被写体と一緒に写すアングルが極端すぎるのと、光が強すぎてフレアーやゴーストができやすいので×。太陽の大きさの調整は、焦点距離にもよりますが、被写体の大きさ(ピント距離)で大きく変わります。同じ焦点距離でも、被写体を大きく写すとピント距離が短くなって被写界深度が浅くなるため太陽が大きく写ります。100mm くらいに焦点距離を決めて、被写体の大きさである程度太陽の大きさを調整、それでも大きくできない場合は焦点距離を長くすると、好みの大きさでフレーミングできるようになりますよ。

画像: ▲水面のキラキラ光る反射を背景に、チューリップの群生をシルエットにしてみた。チューリップの大きさや割合はそのままに、背景のボケ味を大きくしたいなら、焦点距離を長くしてもっと遠くから撮影すること。 ■ EF70-200mmF2.8L IS 絞りF2.8 マイナス2 露出補正 WB:太陽光

▲水面のキラキラ光る反射を背景に、チューリップの群生をシルエットにしてみた。チューリップの大きさや割合はそのままに、背景のボケ味を大きくしたいなら、焦点距離を長くしてもっと遠くから撮影すること。
■ EF70-200mmF2.8L IS 絞りF2.8 マイナス2 露出補正 WB:太陽光

太陽を丸く写したい場合、絞りは開放(円形絞り採用のレンズなら1 段程絞っても可)付近に設定します。が、その設定では光量が多すぎてシャッター速度の最高速度を超えてしまい、シルエットにできない場合があります。そんなときはND(減光)フィルターで対処。光量を少なくできるほど余裕ができるので、ND8 などが使いやすいですね。

画像: ▲パンパスグラスの長く伸びた葉に美を感じた。魚眼レンズによる遠近感と極端なアンダー露出でシルエットにすることで、葉の長さとラインの印象をより強く見せることができた。 ■ EF8-15mmF4L フィッシュアイ 絞りF5.6 マイナス2 露出補正 WB:太陽光

▲パンパスグラスの長く伸びた葉に美を感じた。魚眼レンズによる遠近感と極端なアンダー露出でシルエットにすることで、葉の長さとラインの印象をより強く見せることができた。
■ EF8-15mmF4L フィッシュアイ 絞りF5.6 マイナス2 露出補正 WB:太陽光

露出は、ほとんどのカメラが背景の明るい部分に露出を合わせてくるので、カメラ任せで大丈夫。でもカメラによっては、AF でピントを合わせた部分を優先して露出を決める逆光補正が働き、被写体に露出が合ってしまう場合もあるので、適宜マイナス補正してください。

AF でピントが合えばいいのですが、明るい背景を取り込んだときはAF でのピントが合いにくい条件になるので、ピントリングがグルグル回るときは素直にMF に切り替えること。眩しくてMF でピントが合わせられない場合はライブビューを活用するといいですよ。

画像: ▲太陽の位置が高く、そのまま取り込むとフレアーが出てしまうので、木漏れ日と重ねてやや光を弱くした。太陽が赤味を帯びる前だったので、WB: 白熱電球であえて青くしてクールなイメージを演出。 ■キヤノンEOS 5D Mark Ⅱ EF100mmF2.8L マクロIS 絞り優先AE(F2.8) WB:白熱電球 ISO100

▲太陽の位置が高く、そのまま取り込むとフレアーが出てしまうので、木漏れ日と重ねてやや光を弱くした。太陽が赤味を帯びる前だったので、WB: 白熱電球であえて青くしてクールなイメージを演出。
■キヤノンEOS 5D Mark Ⅱ EF100mmF2.8L マクロIS 絞り優先AE(F2.8) WB:白熱電球 ISO100

ピントを合わせるだけならセンサーが焼けることもありません。でも、長時間使用したり、シャッターチャンスを待つ間、ライブビューモードにしておくと焼けてしまうかもしれないので、要注意です。シルエットというと、影絵のように黒く潰れた像をイメージするかもしれませんが、実際はほんのり色が残るくらいの方が私は好みです。マイナス補正して暗さを変えながら好みを探っていきましょう。決まりはありませんから、好みでいいのです。

今回のポイントは3点!

❶太陽など明るい光源を取り込むなら、ND フィルターを!
❷黒く潰すな! ほんのり色が残るシルエットがお洒落
❸見た目とのギャップがありすぎるので、考える前に撮影を!!
【共通撮影機材&データ】■キヤノンEOS 5D Mark Ⅱ 絞り優先AE ISO100

撮影・解説は「花撮影・マクロの達人」並木隆さん

画像: 1971 年東京生まれ。高校生時代に写真家 丸林正則氏と出会い、以降写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)中退後、中小企業の溶接工、トラック運転手、オフィスビルの窓ガラス清掃などを経てフリーランスとなる。現在は各種雑誌誌面での作品発表。主に花をモチーフにした作品を発表し続けている namiki.lightparty.jp

1971 年東京生まれ。高校生時代に写真家 丸林正則氏と出会い、以降写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現:東京ビジュアルアーツ)中退後、中小企業の溶接工、トラック運転手、オフィスビルの窓ガラス清掃などを経てフリーランスとなる。現在は各種雑誌誌面での作品発表。主に花をモチーフにした作品を発表し続けている

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