カワサキにおける「Z」という名前には特別なものがありますよね。レジェンド級の名車900 SUPER4/Z1から始まり、今日までその名は受け継がれていますが、イマドキの「Z」ってカワサキにとって、どういうオートバイなんでしょうか?

現代の『Z』はZ1000がシンボル?

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2014年にカワサキからZ1000が登場したとき、バイク乗りならみんな「うおおっ!?」って驚いたはず。実際、ボクもかなりシビれました。もうとにかくインパクトがハンパじゃなかったですからね。

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特にこの顔です。カワサキは「sugomi」デザインと言っていますが、それも頷けます。だってこれ、ひと目見た瞬間にスゴッ!って言っちゃいますもんね(笑)これぞ“カッコいい”の塊です。

「Z」が特別な理由

でもボクたちライダーにとっては「カワサキのZ」には特別な響きがあります。それはやっぱり名車Z1の存在が大きいんです。

そもそも「Z」はなぜ伝説に?

1972年に発売された900 SUPER4。型式名Z1。このバイクは900ccという大排気量のDOHC4気筒エンジンをもって、同じくレジェンド級バイクであるホンダのCB750FOURを上回る動力性能を誇ったんです。そしてZ1は世界のサーキット、ストリートで「最速」の呼び声を欲しいままにしました。

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当時レースで無敵だったMVアグスタの4気筒、そしてホンダの4気筒を超えたこと。この偉業が「Z」伝説のスタートライン。これが無ければ「Z」は今日の伝説を築けなかったかもしれません。

もうひとつのZ1の魅力

でも性能だけじゃバイクってダメですよね。いくら高性能でもダサいやつはNG! そこにいくとZ1って当時としても超カッコ良かったんです。流れるようなフォルムは、今見ても美しい。色んな側面から見てZ1って“すごいモノ”だった訳です。

じゃあ、Z1000はどうだ?

画像: じゃあ、Z1000はどうだ?

2017年モデルで国内仕様として発売されたZ1000。これは正しくカワサキのZですか?と聞かれたら、僕はYESと答えます。乗ってみてわかりました……このバイク、手強い!

乗れるモンなら、乗ってみな。

そう言われている感じです。扱いにくい訳じゃありません。普通に乗るぶんにはイージーです。けれどスポーティに走ろうと一歩踏み込むと牙を剥きます。

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加速が「強い」っていうのは変でしょうか? アクセルを開けることに独特の緊張感があるんです。兄弟者のニンジャ1000と同じ最高出力141馬力ですが、ずいぶん違うイメージ。トラクションコントロールが無いですから常に真剣、シビれます。

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排気サウンドもそうです。アクセルを開けるとゴアッと吠えて、同時に車体が前に押し出されます。その時の力感はかなりのモノ。ちなみにちょっと脱線しますけど、カワサキ車って本当にカッコいいマフラーをデザインしますよね……惚れ惚れです。

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ABS標準装備。ラジアルマウントのブレーキキャリパー。このブレーキの扱いやすさが、かろうじてZ1000の加速に立ち向かう勇気をくれていると言っても過言ではありません。

最高速の土俵では戦わない。

ところで最速のDNAは今、Ninja H2/Rが継承しています。だからZ1000は最高速を謳うバイクではありません。

KAWASAKI Ninja H2

でも走らせるとZ1000って明確にカワサキ車なんです。そこにはライダーがバイクに挑む、心構えみたいなものが求められるかもしれません。

画像: 最高速の土俵では戦わない。

とてもじゃないけどフルには扱いきれない141馬力のパワーと、想像以上に鋭いハンドリング。1972年にZ1が登場した時、当時のライダーも今日のボクと同じように思ったのではないでしょうか。

『カワサキのZはヤバいぜ?』って!

Z650の立ち位置は?

画像1: Z650の立ち位置は?

ひるがえって最新Zといえばコチラ! Z650です。ですが、このバイクは「カワサキZ」として見るとどうなんでしょう?

画像2: Z650の立ち位置は?

スタイルはZの名前にふさわしくカッコいいですね!Z1000に通ずる凄みも感じます。 でも我々は贅沢なので「Z」の名にそれ以上を求めてしまうのです……

心が折れない『Z』への入口

ここはズバッと言います。乗るのはすごくイージーです。そこにリスキーな空気はありません。危うさを含んだ魅力がZだというなら、Z650は該当しないでしょう。

画像: 心が折れない『Z』への入口

でもZ1000で走った直後のボクには、Z650がいてくれて良かった。なぜかというとZ650は「もう一歩」を踏み込めるバイクだったからです。

Z650はライダーを育てる。

Z1000とは違い、Z650はリラックスして乗れます。ここで大事なのは自信を持って乗れること。だからこそ次へ挑めるんです。何でもそうですけど、難しすぎると嫌になっちゃいますもんね(笑)

画像: Z650はライダーを育てる。

カワサキが『本気』で作った650スポーツ。

新しいZ650は、既存モデルの派生ではありません。特にナメてはいけないのがエンジンで、アクセルオンからのダッシュが速い!最高出力68馬力ですが、それよりも低速の力強さが印象的です。「本気」というのは伊達ではありません。

画像: カワサキが『本気』で作った650スポーツ。

ソフトな乗り心地と重量マスの集中化に貢献するショートサイレンサーで、ハンドリングは優しく軽快。テクニックを問わず、ライダーがバイクを操る楽しさを堪能させてくれるんです。兄弟車のニンジャ650よりもスポーティな印象です。

古い考え方かもしれませんが……

これは個人的な意見ですが「オートバイと対話しながら走る」という部分では、Z1000以上にZ650が優れているとボクは思います。

画像: 古い考え方かもしれませんが……

最適なブレーキングを探り、車体の姿勢を整えてコーナーへ。タイヤと相談しながらアクセルを開けて加速する。この一連の流れに一生懸命になれることって、バイクで走ることの醍醐味のひとつですよね。

Z650は「Z」の架け橋

Z650は操る楽しさをライダーに教えてくれます。そして上にはZ1000がドーンと控えている。Z650は単体でも楽しいバイクですが、現代のカワサキと「Z」を知るための架け橋にもなっているんだな、とボクは理解しました。

カワサキ「Z」とは?

画像: カワサキ「Z」とは?

Z1000もZ650もライダーの心を奮わせてくれるバイクです。それは畏れかもしれないし、走りのワクワクかもしれません。カッコ良さだってそう。そういう意味で考えると伝説のZ1も、現代のZ1000やZ650も根っこは同じです。

熱くなれるオートバイ

それをもってカワサキ車だとするならば、時代が変わり、バイクの解釈が変われども「Z」はやっぱり「Z」のまま。それを感じて、ちょっと嬉しくなっちゃいました!

「Z」の“sugomi”をもっと詳しく!

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