江戸時代、仙台藩下の宿場町 吉岡宿は、重い年貢に苦しめられ、夜逃げが相次ぎ、壊滅の危機にあった。百姓は年貢逃げるか、飢えて死ぬか。そんな二択を迫られる中で、造り酒屋の穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は、京から戻ったばかりの知恵者 菅原屋篤平治(瑛太)が酒の肴にふと考えたアイデアに光明を見出す。
それは、吉岡宿が殿様(仙台藩主)に金を貸し、利息を巻き上げようという秘策だった。

千両を集め、殿様に貸せ!

千両を現在の貨幣価値に置き換えるとざっくり3億円。当時(いまから250年前)の利息はざっくり年利10%。千両貸せば、年に百両入る。百両あれば町を救うに十分だ。
十三郎は篤平治の案に飛びつくが、肝心の篤平治は酒の上の与太話を本気にされて迷惑に思う。しかし、十三郎の熱意にほだされて、徐々に彼とともに秘策の実現に動き始めるのである。

本作は、殿様に百姓が金を貸す、という逆転の発想、というより無謀な挑戦を実現しようと試みた男たちの、懸命の努力を現代風な味付けで描いてはいるが、一歩間違えば首謀者は死罪になりかねない。そんな決死の試みであっても、やらなければ座して死を待つほかない、それだけ百姓たちは追い込まれている。

やがて十三郎らの情熱は宿場町全体に広がり、多くの人を巻き込んでいく。

苦境を変えるピボットと、何が何でもやり遂げるグリット

本作は実話ベースだそうだ。
できるかできないか、ではなく、やるかやらないか。その強い想いが百姓たちを超え、代官をも賛同者にしていくにしていく。そんな中で身代を潰してまで宿場町を救おうとする、高貴な精神の者が現れるにいたり、彼らの大願成就は果たされる。

この映画は、大義名分に殉ずる覚悟を持った男たちの志の勁さ・気高さを見事に示している。本作は、年貢を納めるだけの立場から、逆に金利を取ろうとするのは発想の転換であり、ピボットであると言える。そして、決死の覚悟、思案の限りを尽くして考え抜いた戦略の実現を、絶対に諦めないグリット。この物語は、起業家や大望を抱く者にこそ見てもらいたい、そんな映画である。

・・・・最後に、羽生結弦演ずる仙台藩主がなかなかに粋なはからいをするが、これは愛嬌として見ておけばいいだろう。

画像: 殿、利息でござる! www.youtube.com

殿、利息でござる!

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