不倫相手と別れ、生まれて間もない愛娘とともに傷心旅行に出かけたリサは、わずかな気の緩みを突かれて人身売買組織に娘を誘拐されてしまう。地元の警察からの協力を仰ぐことができず、自らの力で助け出すほかないと悟った彼女は、決死の覚悟で娘を取り戻す闘いを始める。
事件発生から3時間で見つけねば、保護できる可能性は25%以下になる・・・、という統計をベースに、娘奪還に必死になる彼女の闘いを描くレディ・アクション。

人身売買組織に娘を誘拐された母親の孤独な闘い

ヒロインのリサは、妻子ある政治家との不義の子(娘)を持つシングルマザー。彼との生活を夢見ていたが、上手くいかないと知り、愛娘ソフィーとともに異国への旅に出るのだが、その旅先で赤ん坊を誘拐されてしまう。
たいていの女性ならば、ただ泣き崩れて、警察に頼る他ないわけだが、彼女の場合は大きく違った。リサは米国の諜報機関で特殊訓練を受けた元エージェントだったのだ。彼女からすれば、誘拐されてから3時間以内に取り戻さなければ、無事に連れ戻せる確率が激減することを体験的に知っており、一刻も早く娘を取り戻したいが、杓子定規に振る舞う警察や非協力な地元民に苛立ち、自ら奪還すべく行動を開始する。
リサは不義の子を産むことに躊躇したことさえあった自分を恥じると同時に、初めてソフィーへの強い愛情と、自分が母親であることを強く意識するのである。

スター俳優依存でもなく、脚本の新しさもないが、緊迫感の中で娘を奪われた母親への共鳴を上手く作ることに成功している佳作

本作には著名な俳優は出ておらず、ヒロインのリサのアクションもカメラワークでごまかしているだけで、あまり上等とは言えない。設定も、『96時間/レクイエム』とほぼ同じだが、猶予時間を3時間に短縮化していることと、母親にしていることくらいの差で、プロットとしては目新しくない。

しかし、スターを使わず、アクションも稚拙なことが逆に、娘を誘拐された母親の必死さと、追い詰められた彼女の切迫感を強く表現するという良い結果につながっている。

93分という短さもまた、命がけの追跡劇のスピード感と緊迫さをこの映画に与えている。

画像: 映画 『3時間 / THREE HOURS』 公式予告 www.youtube.com

映画 『3時間 / THREE HOURS』 公式予告

www.youtube.com
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