【上からピックアップコイルとローター、真ん中の赤箱はDUCATIシングル及びツインで使われていたトランスデューサー、一番下の黒箱はベスパ用】

いきなり刺激的なタイトルですみません。前から気になってる事があるのでそこだけ書かせてください。

トランスデューサーって何?

ワイドケース後期型は点火系がCDIになったのですが、CDIユニット(電子回路)とIGNコイルが一体化されたトランスデューサーと呼ばれるものになってます。

そして写真上のローターがくるくる廻って(磁石入り)ピックアップコイルに点火してちょ!と信号を発生させています。(笑)

40年前に作られたテレビの電源スイッチって入れられますか?

Wikiによれば、1973年にはカラーテレビの普及率が白黒テレビを上回ったそうなんですが、その当時のテレビが目の前にあったとしたら、素直に電源スイッチを入れられますか?

「大丈夫だから」と言われても、ちょっとビビりますよね?

トランスデューサーが使われていた時代背景はそんな感じです。

できれば見たくない現実とは、

【全て中古ですが、アース線が腐れてます。(一番右のものは付け替えました)】

トランスデューサーに関して気にしてほしい部分があります。

それは端子とは別に出ている「アース線」の状態です。(通常、茶色の線)

写真を見ておわかりになるように3個とも「アース線」が腐食してもげてしまっています。右側のものも同様だったのですが、樹脂モールドの部分を削って新しい線をはんだ付けしてあります。

なぜ、ここが腐食してもげてしまうのかという理由ですが、こんな風に考えています。

1.アース線の被覆のビニールが経年変化やヘッドからの熱で硬化する(プラスチックみたいにカッチカッチ)

2.振動で硬化したビニール被覆が割れ、そこから空気中の水分と銅線が触れてしまい、錆びる

3.知らぬ間に腐食が進み、根っこからもげてしまう

というプロセスを踏んでるのではないかと思います。

アースの役目はとても重要で、電気の流れから考えるとこの線が切れてしまうことで行き場の無くなった電気エネルギーが内部の電子部品を破壊してしまう可能性は高いです。(パソコンなどの電源ケーブルでアース線もしくは3P端子が出ているものがありますが、あれはアース落とさなくても大丈夫ですが、このトランスデューサーのアース線は確実につなぐ必要があります。)

残念ながら右側の赤いトランスデューサーはパンクしてましたので「アース線」を付け替えても復活はしませんでした。これは内部パーツが逝ってるんだと思います。(涙)

内部はまさにブラックボックス

画像: 【ベスパ用を壊してみました。モールドされているため内部パーツにはアクセスできず(涙)この時使ったドライバーが手に刺さり流血してしまったため、これ以上はあきらめました。(痛)】

【ベスパ用を壊してみました。モールドされているため内部パーツにはアクセスできず(涙)この時使ったドライバーが手に刺さり流血してしまったため、これ以上はあきらめました。(痛)】

ものは試しにベスパ用を壊してみました。

外側の黒いプラスチックを割り、内部パーツにアクセスしたかったのですが、ご覧のように樹脂で固められているため、これ以上は諦めました。まさにブラックボックスです。(笑)

現在、調子よく動いているエンジンであっても知らぬ間にアース線がもげそうになっているかもしれません。アース線の根っこの部分が固くなっているようであれば、いずれビニール被覆が割れ、そこから内部の銅線が錆びてしますことは明白です。今の内に新しい線に付け替えておくことをお勧めします。(一番上の写真の赤箱(左側2個)は生きてますが、やはりアース線は硬化が始まってます。使う前に付け替える予定です)

とは言ってもアース線より先に電子部品が壊れる可能性もあります。ですが予防措置としてアース線の確認をやってもらえると安心です。

ピックアップコイルとローターは大丈夫なのか?

もちろん、どちらも経年変化による劣化は避けられません。

ローターはゴム磁石を挟む込むような構造ですので、その磁力が年と共に弱くなっていきます。

またピックアップコイルは内部で電線が巻かれているだけではなく、ダイオード(整流器)を通してプラスとマイナスの信号に分けているようなんですが(この辺はまだよくわからず)、このダイオードが飛んでいるものがありました。

テスターの導通試験モードで試すと、片方は電流が流れ、もう片方は電流が流れないのがわかります。これで正解なのですが、ダイオードがダメになったものはどちらにも流れません。海外ではこのダイオードの交換もやってくれるショップもありますが、いずれ樹脂モールドをはがして中身を確認してみたいと思います。

もし、トランスデューサーやピックアップコイル、ローターなどがダメになってもガックリこないでください。これらのパーツも現在ではリプロ(再生産)されています。万が一壊れたとしても心配は入りません。大丈夫です。いい時代になりました。

あと、もう一つ>>ここも気にしてください

配線の腐れはトランスデューサーのアース線だけではなく、他の配線にも起こっています。

その一つがオルタネーター(発電機)からの配線です。

画像: 【3本側(黄2、赤1)は発電側、2本側(白1、緑1)はCDIユニットへの電力供給用】

【3本側(黄2、赤1)は発電側、2本側(白1、緑1)はCDIユニットへの電力供給用】

これはワイドケース用のステーターコイルですが、雨のあたる場所に長期間置いておいたわけではありません。はずしてから20年以上屋内保管していたものです。(正確には段ボール箱に入れて机の下)

根本のコイル側も同じようにゴム被覆?は割れ、剥き出しになった銅線は緑色に錆びています。

これはエンジンの熱やエンジン内部のオイルによる被覆の劣化ではないかと考えられます。劣化によるひび割れから空気中の湿気を吸い、そして銅線が錆びてしまう。これでは電気も通れません。(涙)

【パンタ600の配線(オルタネーターからの線、レギュレーターへの端子部分)もしっかり腐れてました(涙)】

上の写真はパンタ600のオルタネーターからレギュレーターに入る配線ですが、これも同様に腐れてました。

よくパンタ系は充電系が弱いとお聞きしていたのですが、これでは電気が通っていきませんので充電はムリです。レギュレーターの問題ではありません。また電気が通ったとしても、今度は腐食部分が電気抵抗となって熱を持ちますので、このまま高回転で走らせていたら、タンク下が高温になってガソリンに着火しバイクが燃えてしまうことも十分にありえます。

パンタ系のオーナーさんは、ぜひタンク下の配線の状態を確かめてあげてください。よろしくお願いいたします。

錫メッキされた銅線なら腐らないのに、、、、。

同じ銅線でも錫メッキされた銅線はサビません。鉄板は錆びますが、錫メッキされたブリキ板がサビに強いのと同じ原理です。(錫と鉛を溶かした合金がはんだです)

本当はすべての配線を錫メッキにしてほしかった、というのは私の心の叫びです。(笑)

なんで使わなかったの?と聞けばコストの問題だったと答えるかもしれませんが、実際はそこまで必要性を感じてなかったかもしれません。

イタリアでも雨は降りますし、1990年に出たミラノ→ターラントの時は山沿いの道で雹も降りました。(顔面直撃で痛いのなんのって!それこそ泣きながら走ったものです>涙)

いきなりはガァーーっと降るのですが、あがってしまえば空気が乾燥しているのでいつまでも湿気が残っているわけではないのです。

今からちょうど20年まえにミラノ→ターラント主催者のサバちゃん(フランコ・サバティーニさん)の工房へおじゃまさせてもらったのですが、急なにわか雨でブラストしたパーツが雨に濡れてしまい、すぐに錆び始めたのです。雨があがったと思ったら、そのパーツをまたブラストし、さび止めプライマーとかも塗らずに塗装してました。これにはビックリしましたが、よくよく考えてみればイタリアは湿気が少なく、錆びる可能性も日本国内よりは相当低いので、よく考えてみれば納得できますね。

この辺の感覚が違うので、「別に錫メッキ線でなくても大丈夫じゃね?」と会議したのは十分に考えられるところです。言い方は違うと思いますが、、、、。(笑)

イタリア人は錫メッキが嫌いなのかもしれませんが(冗談)1980年代初頭の350Ventoなどのモト・トランス系シングルにはモトプラット社(スペイン)の電装系が使われていました。このオルタネーターの配線には錫メッキ線が使われています。

が、しかし、、、、、、、、、。

【350Vento用ステーターコイルを裏側から見た図。やはり被覆が割れてます。(涙)】

やはり被覆が割れてしまっています。(涙)

内部は錫メッキ線が使われていますので、錆びてはいません。しかし、ここからオイルが配線内部に浸み込んでいます。

電流の特性として、「直流」(プラス、マイナスの方向が一定。バッテリーの電気とか)は電線内部を流れるらしいのですが、「交流」(家庭用100Vとかプラスとマイナスが常に入れ替わるタイプ。オルタネーターから出てくるのは交流)はその周波数が上がっていくほどに電線の表面を伝わっていくそうで、その場合、電線表面のオイルが電気の流れを阻害することは十分に予測できます。(油は電気を通しません。添加剤が入ると別ですが)

2個あるVento用ステーターコイルは2個とも同じ状態でした。こうなると持病としかいいようがありませんね。(笑)

でも対策は簡単です。なるべく根本でちょん切り、パキパキになった被覆をはがします。(触るとぽろぽろ落ちるはず)そして錫メッキ線をパーツクリーナー等で脱脂、念のため電線の表面にサンドペーパーをかけハンダが乗りやすくします。その線をよじりハンダ付けします。そしてそこに耐熱、耐油被覆の錫メッキ銅線をはんだ付けし、熱収縮チューブでカバーすれば完成です。ジョイント部分にシーラント打っておけばより安心でしょう。また付け足す線は多少長めにしておいて、車体に取り付けてから長さを合わせてカットすればきれいに収まります。

3極用キャブタイヤコードでもいいですし、私のように配線はビーメックス(架橋ポリエチレンの被覆は320度まで溶けません)を使い、外側は熱収縮のシリコンチューブでカバーするようにしてもいいと思います。

もし万が一、配線が腐っていても心配はいりません

ワイドケースですら生産されてから40年以上ですので、配線が腐っていたとしても何ら問題ありません。長い時間の経過を考えれば当然の帰結と言えるでしょう。

それはわかっていても、配線が腐れているのを目の当たりにするのはやはり心が折れそうになるものです。

しかし、たとえそうであっても心配はいりません。今ではワイヤーハーネスをはじめ、オルタネーターからの配線の交換用キットも出ています。こんなものまで!と思う物までがリプロ(再生産)されています。

でもせっかく電装系に手を入れるならば、もうちょっと手間暇お金をかけていただき、12V化そしてデジタル制御のフルトラ点火にしてはどうかと考えております。これであれば150w発電しますのでH4ハロゲンも余裕で使えます。もちろん夜間走行も何ら苦にはなりません。またデジタル制御のフルトラ点火は始動性の向上、パフォーマンスアップ、そして燃費もよくなるのではと期待しております。

詳細は改めてご案内いたしますので、どうぞお楽しみに!

それでは身体中を快感が貫くDUCATIシングルライフをお楽しみください。

ご覧いただき、ありがとうございます。


※純正タイプの点火系パーツ(ポイント、コンデンサー、IGNコイル、トランスデューサー、ピックアップコイル等)の入手も可能です。

詳しくは下記リンク先ページの「車体系・外装系・電装系・特殊工具その他」を見ていただくか、9.電装系リスト(PDF)をダウンロードしてください。

画像: もし万が一、配線が腐っていても心配はいりません
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