2輪、4輪、オン/オフやカテゴリーを超えて、さまざまなレースシーンで活躍するモデルに描かれていた「ロスマンズ」のグラフィック。そしてレプリカブーム真っ只中、満を持して登場した2ストレプリカのロスマンズには、ほかとちょっと違った個性が備わっていました。

HONDA NS250R

画像: HONDA NS250R

このロスマンズカラーのNS250Rは限定車で、発売は86年で限定数は4000台でした。
限定にしては多いと思ってしまいそうですが、当時は250ccで1年間に1万台売れるなんてありふれた話。それも売れ筋商品の250レーサーレプリカですから、4000台でも立派な「限定」の後光があったのです。

ロスマンズカラーのロスマンズとは、ご存じの方も多いかと思いますが、「峰」や「マイルドセブン」のようなタバコブランドのことです。

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ロスマンズカラーとホンダといえば、フレディ・スペンサーがWGP250クラスと500クラスにダブルエントリーとして圧倒的な強さで両方チャンピオンになった85年。
ホンダは、フレディに伝家の宝刀NSR500、他ワイン・ガードナー、ロン・ハスラム、ランディ・マモラ、片山敬済らにNS500を与えるという大物量作戦に打って出ました。
この時、ワークスの息がかかったマシンは全てロスマンズカラーになりました。

中でも、片山敬済のロスマンズカラーだけは他とは違う白い部分が多いもので、この限定NS250Rのカラーはそれと似ていたので、出た時は片山レプリカと言われることもありました。

さて、NS250RはMVXの失敗から、レーサーレプリカのレシピを練り直して誕生した意欲作でした。
しかしながら、同年にそれまでの世界を一瞬で古くしてしまったTZR250が発売されたのが不運でした。
その影で販売的に成功とは言い難かったものの、NSシリンダーや排気デバイスATACを採用するなどで乗りやすく作り込みもホンダらしい緻密なもので、デザインも凝っていました。

今となっては天下を取ったNSR250Rより、数が少なく、所有感をくすぐる味わいがあるように感じてしまうというのも、おもしろいところですね。

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