1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)

ホンダ車専用の機構

日々進化を続ける 『VTEC(可変バルブタイミングリフト機構)』 はトヨタにも日産にもない HONDA独自の技術 です❤︎インテグラをはじめストリーム、シビック、NSX、S2000などホンダ車の大衆エンジンに広く用いられ、世界に誇るホンダ車を支えるバリエーション豊かなVTECエンジン、『VTECの閃光』では世界中の技術者が夢見たまさに 革命的な技術 が紹介されています!(^^) ホント凄いとしか言えないです……

画像1: ホンダ車専用の機構

ホンダのDOHCエンジン技術は当初、S500〜S800のAS系に見られるように、2輪エンジン開発のノウハウに支えられていた。しかし84年10月、16年の雌伏期間を経てZC型が登場。これにより見事に2輪のイメージを払拭してみせた。5年後の89年にはVTECを搭載したB16A型を投入。これがホンダエンジンのコアテクノロジーとなっていく。

カムシャフトにはそれぞれタイミングもリフトも異なる低速高速2種類のプロフィールが刻まれ、エンジン回転とアクセル開度のデータからコンピュータがそれを使い分ける。具体的には、通常は低速側カムに接するロッカーアームが固定され、高速側ロッカーアームは“空打ち”しているのだが、エンジン制御コンピュータがバルブ切り替え信号を発令すると、油圧作動によって低速側ロッカーアームからピンが飛び出して低速側と高速側のロッカーアームが一体化。その瞬間、今度は高速側のカムプロフィールに従ってエンジンが回り始めるという仕掛けだ。

画像2: ホンダ車専用の機構

こうして、低速と高速で完全に異なるカムプロフィールを使い分けられるようになった結果、高速側カムはレース仕様なみの300度近い作用角で9000rpmまでイッキに吹き上がる高回転パワーを達成。一方、作用角220度程度の大人しい低速側カムによって、これほどの高速エンジンとしては異例の低速トルクをも両立させることに成功しているのである。

画像3: ホンダ車専用の機構

もちろん、ただ単に可変バルタイ機構を装備しただけで高性能エンジンができるわけではなく、その前提としてリッター100psをクリアする優れた基本性能が必要なのは当然だが、このへんはさすがに『高性能エンジンならお手のモノ』のホンダ。それまで主力だったZCでは75㎜×90㎜というロングストロークだったのに対し、超高速回転を狙うB16Aは一転、81㎜×77.4㎜のショートストロークに変身。その他、バルブやピストンなどのムービングパーツの軽量化や、クランクの剛性アップなど、あらゆるところにレーシングエンジンなみの目配りが行き届いている。まさに、ジキルとハイドが共存する理由のエンジンが特性。それがVTECの神髄といえるだろう。(HA1996年9月26日号掲載)

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.