パックマンのニックネーム通り相手を食って食って食いまくるパワーファイター マニー・パッキャオと、デザートストーム(砂漠の嵐)の異名を持つスピードスター ティモシー・ブラッドリーの三度目の対決。パッキャオの引退試合は、これまで一勝一敗の五分の戦績の相手だ。
画像: パッキャオとしてはラストマッチ。相手は1勝1敗の因縁のティモシー・ブラッドリー  www.instagram.com

パッキャオとしてはラストマッチ。相手は1勝1敗の因縁のティモシー・ブラッドリー

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両雄のラバーマッチの展開

サウスポーのパッキャオは、得意の飛び込んでのワンツーで左の強打を当てたい。
対して右構えのブラッドリーは、左ジャブを細かく使いつつ、カウンターを狙う展開。

パワーファイターのパッキャオはKO狙いで、結果として判定勝ちになろうが相手を圧倒しようとする。ブラッドリーは回転の速い連打と綺麗なカウンターで対抗する。二人の戦略は、パッキャオvsメイウェザー戦を彷彿させるが、パッキャオの左に対して右のカウンターを当てようとするあまりに、連打がついついおろそかになる感がある。

画像: ©WOWOW

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その展開が変わったのは第7ラウンド。軽く当たったパッキャオのパンチでバランスを崩したブラッドリーが両拳をリングにつき、ダウンと見なされたのだ。

明らかにポイントを奪われたことでブラッドリーは、カウンター狙いから持ち前の連打で攻勢に出る。速い連打に惑わされながらもパッキャオは逆にカウンター狙いへと転じ、なんと第9ラウンドでは再びのダウンを奪うことに成功する。

このダウンはまぎれもなくクリーンヒットによるダウン。
ダメージこそないものの、ブラッドリー陣営はもはや逆転KOを狙う他、勝利をつかむことは不可能となり、焦りを隠せないが、さりとてがむしゃらに前に出て相手を確実に仕留めるパワーは、彼にはない。

同時にパッキャオもまた自らの花道を劇的なKOで飾りたいあまり、自然カウンターをより狙うようになるが、結果として手が出なくなる。

やがて二人の戦いは最終ラウンドを迎え、勝敗の行方は判定に委ねられることになる・・・。

勝敗は・・・

マニー・パッキャオの判定勝ち。

下馬評通りだったといえるかもしれないが、二人とも攻勢を緩めることがなく、とても面白い一戦であった。

メイウェザーとの再選にこぎつけることがなければ、パッキャオの勇姿を観られるのもこれが最後、ということになる。

ボクシング業界は、今後は当分ゴロフキンやカネロ・アルバレスらを軸に動いていくことだろう。

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