つい先日に再建型倒産処理手続を取ったことで大きくニュースになったMV Agustaですが、なんと同郷のFIATが手を差し伸べることに。

MV Agustaの倒産の真意は?

昨年度は販売数を30%伸ばし、更にバックオーダーもあるとされるMV Agustaがなぜ倒産なのか。

どうやらMV Agustaが今も支払いを行えていない4000万ユーロ(約51億円)分の請求書や負債が発端のようです。今回の倒産処理申請は従業員の給与の支払いなどを確約するために取られた処置とのこと。

現在の社長Giovanni Castiglioni氏は父親のやったようにブランドを高く売って安く買い戻すようなことは考えていないようで、Ducatiの再建に貢献した投資会社Investindustrialとの取引の模索などを検討していたようです。

実際に株式の75%をも社長一家が所有しているので、それを売ればいいじゃん。なんて思うのですが、MV Agustaへの想い入れが強いのか、経営権を譲るなどは考えていないようです。

そんな中現れたのが同郷のFIATです。

2輪進出を狙うFIATの思惑が現実に

MotoGPではYAMAHAと組んでいるFIATですが、YAMAHAはすでに4輪車の開発が報じられていて、かつ現実味が高いことから両者の関係は長くはないとみられています。

Valentino RossiがYAMAHA MotoGPとの契約を2年更新したばかりなのですぐに関係が終わるとは思えませんが、先が長くないのは明白。

FIATはグループ内に4輪のブランドを抱えていますが、2輪は皆無。DucatiはAudiに買収されていて、そのDucatiが昨年販売したScramblerがすでに16000台を販売。その内の3分の1が北米での販売と、クライスラーブランドで北米での販売網をもつFIATとしては2輪は放っておけない状態になってきている。

MotoGPに復活した同じくイタリアブランドのApriliaもありますが、こちらはPiaggioグループにすでに吸収されているため、買収はほぼ不可能。

残っているのはMV Agusta

MV Agustaは今年、世界スーパーバイク選手権に出場しており、ベテランLeon Camierと共に結果もまずまず。

新型モデルも控えていて、未来は明るい。

更に今回の買収の噂を裏付けるような出来事がすでに起こっているのです。

MV Agustaの株式の25%を所有しているAMGのロゴがMV Agustaのレースマシンから無くなっているのです!

シリーズ初戦のPhilip Islandではスクリーン横にAMGのロゴが付いているのですが、第2戦のタイではロゴが無くなっています。

画像: 左 開幕戦 シールドのナンバー横にAMGのロゴ 右 第2戦 AMGのロゴは見当たらない it.motorsport.com

左 開幕戦 シールドのナンバー横にAMGのロゴ 右 第2戦 AMGのロゴは見当たらない

it.motorsport.com

AMGはすでに自社のディーラーでMV Agusta車両の販売を行っているのですが、FIATが参入となれば同じ4輪の競合。「じゃあ仲良くご一緒に」なんてはなりません。

こうして生まれたイタリアブランドのタッグ。

FIATが株式を購入、MV Agustaが買い戻し

FIATがMV Agustaのオーナーの所有する株式75%の内の25%+4000万ユーロ分(株式数非公表)を買い取り、オーナーがAMGより25%分を買い戻し、負債を払う算段。

この協定でFIATが実際にどのくらいの経営権を取得するのかは謎ですが、2輪を作るノウハウや技術を手に入れることが出来れば生産する能力はすでにお手の物。

MV Agustaブランドとしてシェアを増やしていくのか、はたまたFIATオリジナルの2輪が生まれるのか。どっちに転んでも2輪乗りとしては楽しみな展開ですね。

という、妄想を、エイプリルフールにしてみた

イタリアの企業、しかも歴史と伝統と官能を備えたMV Agustaが倒産、もしくは買収され、利益を出すためだけにブランドを使われる。

そんなのはもう嫌で、色々なMV Agustaにまつわる話を思い浮かべていたら、パッと降りてきたのが今回の妄想記事。エイプリルフールだから自分の妄想を書いても良いかなと思って書きました。

決して、アグスタファンやオーナーの方々をぬか喜びをさせてやろうとか、騙そうとか思ってやったのではなく(ネタばらしは仕込んでおいたのですが分かり辛かった)、こうなったらいいよね的な想いだったのですが、結果、多くの人に混乱と失望を与えてしまったのも事実。書き手としてまだまだ未熟だったと反省しています。

なぜにこうも情熱と気持ちのこもった企業や製品が消えていってしまうのか。
未来への発展とは効率、利益だけなのか、それとも、必要以上の性能と価値は非効率なのか、歴史と伝統が消えそうになるたびに考えさせられます。

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