「エンジン編」に続き、ヤマハMT-07の車体の良さについて書いてみたいと思います。

ハンドリングの軽快感が素晴らしい!

じつはMT-07の試乗をはじめるちょっと前に、お借りしている広報車の入れ替えの時間を利用して、30分ほどではありますが話題のヤマハMT-03にもちょっと試乗させていただきました。

画像: 水冷並列2気筒DOHC4バルブ・320cc、最高出力31kW(42PS)/10,750rpm、ホイールベース1,380mm、車重165kgというのが、ヤマハMT-03の主なスペックです。 www.yamaha-motor.co.jp

水冷並列2気筒DOHC4バルブ・320cc、最高出力31kW(42PS)/10,750rpm、ホイールベース1,380mm、車重165kgというのが、ヤマハMT-03の主なスペックです。

www.yamaha-motor.co.jp

このMT-03、非常に街中でキビキビ走り、取り回しも軽快なので非常に好印象でした。でもMT-07に乗り換えてから暫くすると、MT-07の軽快感のほうがインパクトがはるかに強くて、ほんの少ししか試乗しなかったMT-03の良さのことを、すっかり忘れてしまいました(スミマセン)。

画像: フロントエンドの慣性モーメント減少を考慮したことが、MT-07のハンドリングの軽快感に大きく寄与しています。

フロントエンドの慣性モーメント減少を考慮したことが、MT-07のハンドリングの軽快感に大きく寄与しています。

もちろん、車格とか車重とかではMT-03のほうがMT-07よりも軽量・コンパクトではありますが、車重で14kg重いものの、排気量はMT-07のほうが倍以上あるため、パワー・トルク感は圧倒的に上回ります。この車重に対するパワー・トルクレシオに優れるMT-07は、よりキビキビした走りの印象を乗り手にもたらしてくれるのです。

普段の私は、フロントタイヤサイズ80〜100サイズのクラシックバイクや、オフロードモデルばかり好んで所有して乗ってます。そんなことを思うのは私だけかもしれませんが、近代の高性能スーパースポーツは、スロットルワーク、ブレーキング、荷重移動など、かなり積極的をやらないと、本来のコーナリング性能を引き出せないので、そのことに「やらされている感」を覚えてしまうことがままあるのです(その性能には、素直に感動はするのですが・・・)。

新しい、古いにかかわらず、モーターサイクルの操縦に求められる要素は変わりはありません。ただ、その辺の自由度というか、ジオメトリー的に乗り手がある程度好き勝手にできる古いモーターサイクルや、オフロードバイクを好んで所有車に選んでしまうのは、そんな感覚を近代の高性能スーパースポーツに、私が持っているためなのかもしれません。

MT-07の装着タイヤは前120/70ZR17、後180/55ZR17で、これはMT-09と同じです。残念ながらMT-09にはまだ乗ったことないのですが、MT-07はハンドリングの軽快感が素晴らしいです。ヒラヒラ、というと大げさですが、必要十分な剛性感を手応えで感じつつ、意のままにスッとステアリングが切れていく・・・という感じでしょうか。ストローク130mm、フォークピッチ190mmという、コンパクトなフロントまわりの設定が、慣性モーメントの減少に寄与し、この自然で軽快なフィーリングに大きく寄与しているのでしょう。

また、ハイテンション鋼管のフレーム、モノクロス式リヤサスペンションなど、車体全体の重心位置配分や剛性バランス調整なども、MT-07の軽快感の秘密なのでしょう。この軽快感は、あらゆる層のモーターサイクリストたちに、歓迎されるハンドリングキャラクターだと思います。

ライダービューもスッキリ。この辺の視覚効果も大きい?

MT-07にまたがって最初に思ったのは、「前方視界がスッカスカだな!」という感覚でした。コンパクトなデジタルコンビメーターが、ハンドルポストの上に乗っかってますが、これはあまり視界に入ってこないです(意識して見ないと、メーター表示をちゃんと見ることができない印象)。

画像: モトクロッサーの、プロテーパータイプのハンドルバーのカバーみたい・・・に搭載されるMT-07のデジタルコンビメーター。意識して俯く、または燃料タンクに伏せた姿勢じゃないと、あまり視界に入りません。

モトクロッサーの、プロテーパータイプのハンドルバーのカバーみたい・・・に搭載されるMT-07のデジタルコンビメーター。意識して俯く、または燃料タンクに伏せた姿勢じゃないと、あまり視界に入りません。

そんな作りなので、メーターはたまにチラっと俯いて確認しながら走る・・・カンジでした。でもこれは面倒とか視認性悪いと文句つけたくなるわけではなく、前方視界の広さが好ましく私には思えました。ちょっと燃料タンクが幅広いオフロードバイクに乗っているみたいで、軽快なハンドリングの車体を振り回して走るカンジ・・・。私が感じたMT-07の軽快感のなかには、そんな視覚的効果も大きく効いているのかもしれません。

画像: 安心してください? 写真は私ではなく、プロフェッショナルライダーによる撮影です(※写真は一部合成によるイメージです。車両は輸出仕様車でアクセサリーを装備しています。また海外で撮影されたものであり交通法規、仕様が国内と異なります。ライダー着用ウェア類は国内では販売しておりません)。 www.yamaha-motor.co.jp

安心してください? 写真は私ではなく、プロフェッショナルライダーによる撮影です(※写真は一部合成によるイメージです。車両は輸出仕様車でアクセサリーを装備しています。また海外で撮影されたものであり交通法規、仕様が国内と異なります。ライダー着用ウェア類は国内では販売しておりません)。

www.yamaha-motor.co.jp

タンデムも試しましたが、シートが硬めで、居住性も高くないと、あまりタンデムライダーからの評判は良くなかったです。ライダーからしても、MT-07は街中をキビキビと速く走るのが最も楽しいので、ひとり乗りで使うのがベストな使い方と思いました。また高速道路は、やはりフェアリング装着車のほうが快適ですね(当たり前?)。やはりMT-07が楽しいステージは街中や、一般道を使ってのショートツーリングです。

前後のブレーキはいずれもコントローラブルで、タッチも穏やかですけど制動力は十分でした。なかなか速いMT-07ですから、自制心に自信のない方(笑)、そして大型初心者の方は、ABSモデルを選択したほうが良いでしょうね。

先述のとおり、私はまだMT-09には試乗したことがありませんし、当然まだ未発売のMT-10にも乗ってません。現行のMTシリーズは5機種が2016年にラインアップされることになりますが、今のところはまだその半分以下のMT-03とMT-07にしか載っていません。でもMT-25、MT-09、MT-10に乗ってもいないのに、きっと私にとってはMT-07がベストなMTなのだろう・・・と思ったりしてしまいます。それくらい、MT-07の軽快感とハンドリングの楽しさは、私を魅了してくれたのです。

スペックシートの数字には現れない良さが、MT-07にはたくさんあります。皆さんもレンタルバイクや、販売店の試乗会などでMT-07を体験する機会がありましたら、ぜひ乗ってみてください!

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.