バイクショップ「モトショップ五郎」の大将、五郎さんとその仲間たちのハートフルコメディ。
下品でスケベな五郎さんは腕利きのバイク屋さん。でも毎日美女の尻ばかり追いかけてまともに仕事しません。弟子のサブはピュアな童貞。愛するかおりちゃんと結ばれる日を夢見て、年中無給(マジで)で働きます。

いつまでもバイクと女の子が大好きな、おじさんの青春

本作は、バイク漫画、というよりも、バイク大好きなおじさんの”青春グラフィティ”ってやつです。
モトショップ五郎の大将である五郎さんはだいたい38歳くらい。元レーサーの過去も持っているみたいで、バイクの腕は確か。しかも、整備の腕も一流です。

一年365日、ずっと女の子のことばかり考えていて、可愛い子とみると、すぐキスを迫ったりセックスに持ち込もうとするので、しょっちゅうビンタされてます。でも、そのマメさと、浮気性ではあっても、その瞬間は女の子に全力で向かい合うので、案外女の子たちから好かれていい感じに持ち込むことも度々です。女の子だって顔とかお金とかだけで男を選ばないですしね、五郎さんのカラカラに乾いた明るさや欲望にストレートなことって、実は裏表がなくて安心できるんだと思うんです。
一直線に自分に対して「抱きたい!」と繰り返されたら、まあたいていはビンタしちゃうだろうけど、自分の魅力をそこまで評価してくれることに悪い気はしないと思うしね。

その意味で五郎さん、ある意味、男の一つの夢を体現する人物なのです。

彼の仲間もユニーク。弟子のサブは生真面目で童貞。近所のコーヒーショップ(カフェって感じじゃないです)のかおりちゃんにベタ惚れですが、なかなか手を出せずにいます。
給料もほとんどもらったことがないですが、大将が大好きでタダ働きでもあまり不満を言うことなく頑張ってるんです。
また、五郎さんの親友マサアキは元のレース仲間であり凄腕の結婚詐欺師。今は改心して、五郎さんとのおバカな恋の争奪戦に励む毎日です。まあ、お気楽で楽しい人たちなんですね。

画像: ©オサム&守村大先生、講談社

©オサム&守村大先生、講談社

もちろんいろいろな名車が登場する、バイク好きにもたまらない作品

バイク漫画ではない、と書きましたが、もちろんいいバイク、いっぱい出てきます。
終盤に出てくるヴィンセント・ブラックシャドウなんて、バイク界の超レアな名車中の名車。

そのバイクを惜しげも無くカスタムして、峠でレースしちゃったり。五郎さん、やんちゃです。

画像: マニアには垂涎。いまなら数千万円はするだろう名車

マニアには垂涎。いまなら数千万円はするだろう名車

画像: 完璧にカスタムして、峠をぶっとばす五郎さん

完璧にカスタムして、峠をぶっとばす五郎さん

風のように突然去っていってしまう五郎さん

本作は一話完結が基本のコメディタッチ。
楽しく生きて、いい女といいバイクがあればそれでいいという、能天気なオトナしか出てこないファンタジーみたいな漫画です。

なので、サザエさんのようにずっと長く続けていくのかと思いきや、わずか13巻で終わりを告げます。五郎さん、急に20年前に仕込んでもらった自分の師匠を探す旅に出てしまうのです。

画像: 風のように突然去っていってしまう五郎さん

残されたサブは、頑張ってお店を守り続けます。
やがて、かおりちゃんとも結婚して、ひげを生やし、昔の自分のような弟子を持ちながらも、五郎さんの帰りを待つのです。

ぼくたちもまた、サブと同じようにいつかまた五郎さんに会えることを心待ちにしています。
いい加減でぐぅたらで、でも憎めない。スケベでせこくて不潔だけど、やるときゃやる。大将のイエーっの雄叫びを、いつかまた聴きたい。そう思うのです。

画像: いや、マジで。

いや、マジで。

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