日本のAV界の大ヒットシリーズ「マジックミラー号」

マジックミラー号と聞いても意味がわかるのは男性の一部だろう。我々世代にとってAVはやはりどこか訳あり女性達が活躍していた時代であり,たまに綺麗な女優が出てくると大変な騒ぎになってブレークするという女優というコンテンツが何よりも大事な時代だった。

しかし,AVもだんだん普通の素人がたくさん参入し,アイドルよりも可愛い女優が当たり前になってくると女優としての価値は低下し,いわゆる「企画物」と呼ばれるアイデア勝負の重要性が増してきた。

そんな企画ものの頂点に立つのがこの「マジックミラー号」シリーズだ。マジックミラー号は車にマジックミラーがついており,外から中は見えないようになっているが中から外が丸見えという構造になっている。中で行為をする男女はあたかも外から見られているような状況になり,まずそれだけでもドキドキなシチュエーションになるのだ。

お金という言い訳ツール

そんな中マジックミラー号によくある状況は友人や恋人を外に待たせておき,中で初めてあった人とHをしてしまうというようなシチュエーション,外の友人や恋人に見られているような背徳感を感じながら自らが感じてしまうというものだ。

このマジックミラー号の中でHをしてしまう状況を作るために用意されるツールのひとつが「お金」だ。最初はキスしたら1万円みたいな感じで徐々に金額があがっていき,結局最後はお金に釣られてHをしてしまうという構図が定番パターンでもある。

しかし,ここではお金はあくまで言い訳ツールでしかない。このシチュエーションに背徳感を感じながらのめり込んでいくのはお金では無く,自らが望んでいることが常に明白なのもこのシリーズの面白いところだ。

「他人に見られている」「知っている人にばれてしまうかも知れない」「初めて会った人とHをしてしまう」

このように「他人に見られている」「知っている人にばれてしまうかも知れない」「初めて会った人とHをしてしまう」というようなシチュエーションこそがもっとも背徳感を感じながらもHに溺れてしまう状況だ。そして演出だとわかっていてもそうしたシチュエーションに興奮してしまう男子がたくさんいるということを証明してしまったのがこのAVシリーズだ。もはや普通のシチュエーションでは興奮できないというあなたは立派な退廃主義者だ。よって「マジックミラー号」シリーズは退廃主義宣言公認AVとしたいと思う。

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