「顔」を見分けるのは実は特殊な能力

はっ!おばけ??

幼い時に「ハッ!お化けがいる…!!」と、天井の木目の中に怪しげな顔を発見してとっさに布団に潜った…というような経験はありませんか?
これは、天井の木目が「目、鼻、口」に置き換えられたため起こる現象だと考えられます。

人間はまず、「目、鼻、口」この3つの並びで、それが だと認識しています。つまり、目が丸くて、鼻は高くて…というパーツの形はあまり関係がなく、3つの位置関係が大切なのです。犬でも猫でも、昆虫であっても、顔がある生物であればおおよそ位置関係は同じであり、位置関係が同じであれば、種の違いを超えて(人でも犬でも)それが顔であると認識することができます。

しかし、どこが顔であるかを理解できたとしても、幾多の顔を違う人間であるととっさに分別したり、それが知っている人の顔であると記憶することができるというのは、意外にもかなり高度で特殊な能力です。

顔の違いを認識できるのは、生まれた時からの”訓練”の賜物

例えば、お猿さんがたくさんいたとして、私たちにはどれがどの猿かを一瞬にして見分けることはなかなか難しいですよね??

でも、動物園の飼育員さんたちにはそれができる。それは訓練や長い時間の飼育によって、個体の違いや彼らの顔の差異を認識できるようになるからです。

私たちは、何年も会っていない学生時代のクラスメイトと、偶然街で出会っても、すぐにお互い気づくものです(たとえ名前はすぐに出なかったとしても・・)。また、テレビで一度や二度しか見かけたことのないタレントの顔も、しばらくして別のメディアで見掛けると「あ!この前テレビに出ていた人だ!」となりますよね。一度しか見たことがなくても、時が経って相手の容姿や雰囲気が変わっていたとしても、人の顔は、案外認識できるものです。
顔と認識するのは「目、鼻、口」の並びによると述べましたが、複数の顔を分別して記憶するために必要なことは?
それは動物園の飼育員さん同様に、私たちが生まれた時から、周囲の人たちの顔の違いを区別し、個々の人の顔を記憶する訓練をしているからできることなのです。赤ちゃんであっても、人間はとにかく周りの「顔」を認識することができます。そして、多くの顔を見続けることで、顔の違いを覚え、区別し、記憶できるようになるのです。

実際、私たちは、日本人の俳優さんであればすぐに覚え、顔を識別できるでしょうが、初めて観る映画に出てきた外国の俳優さんの顔は、なかなか区別できなかったり、覚えられないことが多いかと思います。

それは、日本で育った場合、同じ日本人の顔を一番見ているので、その経験によって詳細に区別できるということなのです。逆に、見慣れていない外国人の顔はなかなか覚えられず、識別できない、ということです。

画像: modelpress prcm.jp

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顔の識別のあとは表情の識別

さて、顔を識別できる能力のおかげで、私たちは顔を見れば即座に相手が誰かということがわかるようになりました。
しかし、それだけでは人間関係はなかなか円滑には行きません。相手が上司であれば、相手を敬うような態度をとろうと思うかもしれませんが、相手が上機嫌なのか、不機嫌なのか、何を考えているのかを判断できなければ、近寄りがたくなってしまうでしょう。

つまり、顔を識別するだけでなく、その顔に表れる心の動き、すなわち表情を読み取ることが必要になるのです。

我々はまず、どこが顔であるかを認識し、そしてその顔に浮かぶ「表情」を読み取ることで、相手の感情を推し量り、言葉を使わないコミュニケーションを行っているのです。

幼少期の環境と経験値によって顔認識レベルが変わる!?

生まれた国や地域などによって、文化が違えば表情にも多少の違いはありますが、少なくとも喜怒哀楽にまつわる基本的な表情は、原則として世界共通だと言えます。笑っていれば機嫌がいいと推測できますし、沈んだ表情をしていれば、何か良からぬことがあったのだろうと慮ることができます。前述のように、表情は言語を使わない心の表現方法だからです。

そんな大切な表情を判断するための物差しは、やはり幼少期の環境や経験に大きく影響されるものです。例えば、幼少時に母親との接触が少なかった子供は、相手の表情を読み取る経験が少なく、表情から相手の心情を認識する能力が低いという統計があるそうです。

また、幸福な家庭で育てば、笑顔が周りに溢れているでしょうから、自然に自分もまた笑顔を表情のベースとして覚えていきます。逆に、複雑な家庭環境に育った子供は、笑顔よりも哀しみや怒りのような表情を見て育つ場合が多いため、自分の表情のベースもそうしたネガティブなものになることが多いそうです。

画像: 幼少期の環境と経験値によって顔認識レベルが変わる!?

顔立ちより顔つき。よい表情を心がけよう

日本で育った私たちは外国人の顔を日本人ほど詳細に区別ができない、という話をしましたが、笑ったり、泣いたり、怒ったり…顔からにじみ出る基本的な表情は、世界共通であり、人種や国を超えて、沈痛な面持ちを見ると悲しい気持ちになり、笑顔を見れば自然と楽しい気分になるものです。

顔は前述のように、目と鼻と口という3つのパーツの位置関係によって構成されています。私たちは整形でもしない限り、顔を変えることはできません。それは顔立ちであり、生まれ持った形です。

しかし、その3つのパーツと顔全体の動きをもって作る表情は、私たち自身の気持ちの持ちようでいくらでも豊かに、変えていくことが可能です。それは顔つきです。
顔立ちは変えることはできませんが、顔つきは自分次第です。

つまり、「表情」は心がけ次第で、いくらでも良い方向に変えていくことができるのです。
自分が笑顔でいれば、それが連鎖して素敵な笑顔を持った人たちが集まってきます。

簡単に整形で顔を変えることができたり、女性は化粧でいくらでも自分のコンプレックスを隠すことができますが、自分以外の誰かに、自分が何を考えているかを正しく伝え、コミュニケーションをとっていくうえで大切なのは、顔立ち以上に顔つきが大事です。よい顔つきとはよい「表情」です。
豊かな表情がなくては、よいコミュニケーションはとれません。そして、心が豊かでなければ、よい表情はできないはずです。よい表情ができれば、同じ日本人はもちろん、外国人とでも心を通じ合わせることができるはずです。

逆に言えば、相手に見えている自分の表情を変えて、相手に心地よい顔つきを作る努力をすることが大事に思います。眉間にしわを寄せたりしていませんか?口角を下げて渋い表情をしていませんか?それでは周囲の人に不快な気分を伝染させてしまっているかもしれませんよ。

にこやかに、優しい目をして口角を上げてみませんか?豊かな表情を作れば、心も豊かになっていくし、それを見ている人にもその感情が伝わると思います。

それがひいては幸せを呼び込む秘訣になる、そう思いませんか。

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