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サード・パーソン

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『サード・パーソン』。直訳すれば、第三の人物、か。

出演者は、
リーアム・ニーソン(落ちぶれた小説家)
オリヴィア・ワイルド(リーアムの愛人であり小説家)
ミラ・クニス(実の子を殺そうとしたという罪を着せられた女)
ジェームズ・フランコ(その夫)
キム・ベイシンガー(小説家の元妻)
エイドリアン・ブロディ(バーで知り合った女に魅せられるビジネスマン)

と、非常に豪華だ。

3つのストーリーが淡々と進んでいく複雑な進行

映画『サード・パーソン』予告編

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売れなくなった小説家(リーアム・ニーソン)は、同じ小説家の年下の女性(オリヴィア・ワイルド)との不倫関係を二年も続けている。小説家は、再起を図って新しい著作に着手しているが、それは日記という形式を取りつつも、自分自身を”彼”と呼んでいる。
この作品が、サードパーソン、つまり第三者というタイトルになっているのも、そこからきていると思われる。
彼の愛人である女は実の父親との人の道を外れた関係に悩んでいる。どうしても父親との逢瀬をやめることができずにいるのだ・・・。
このように二人の関係は一見してとても面倒臭い。愛し合っているはずなのに、互いを求め合っているはずなのに、意識的に傷つけ合う。求め合うのに、拒絶し合う。

画像1: 3つのストーリーが淡々と進んでいく複雑な進行

この二人を軸として、まるでパラレルワールドのように別のストーリーが進行していく。

二人が宿泊しているホテルのメイドである女性(ミラ・クニス)は、精神的に不安定で、実の息子を殺しかけてしまった過去を持つ。そのことで離婚した元・夫(ジェームス・フランコ)は、決して彼女を息子には近づけようとしない。

その頃、ローマでたまたま知り合った女性が娘を誘拐されていると知った米国人ビジネスマン(エイドリアン・ブロディ)は、それが狂言かもしれないと思いつつも、彼女のために金を工面しようとする。

画像2: 3つのストーリーが淡々と進んでいく複雑な進行

これらのストーリーは並行し、かつ少しずつ絡み合いながら進む。非常に複雑で、伏線の多い映画である。

息子を死なせてしまった男の贖罪と自虐の物語

ここから先は、詳しく内容を説明するのはやめる。
最後の最後で紐解かれる謎は、非常にシンプルであり、少しでもヒントがあれば、興ざめになるからだ。

ただ一つ言えるのは、登場人物のほとんどは、何かしら罪の意識に苛まれており、どうにかして償いたい、やり直したいと切望しているということだ。

画像: 息子を死なせてしまった男の贖罪と自虐の物語

一貫しているテーマは、愛する子供を取り戻す、という想いであり、そのためには自分から破滅を選んでしまう強く激しく昏い情愛が、本編を覆っている。
愛する者を熱望し、同時に傷つける。そうした矛盾を第三者的な視点で描く。それがこの映画の視点である。

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