画像1: 【バイク業界のキーマンたち】電動バイクの風雲児。テラモーターズ社長  徳重徹

テラモーターズ株式会社 代表取締役 徳重 徹(Toru Tokushige)
住友海上火災保険株式会社(現:三井住友海上火災保険株式会社)にて、商品企画等の仕事に従事。その後、米国ビジネス スクール(MBA)に留学し、シリコンバレーのインキュベーション企業の代表として IT・技術ベンチャーのハンズオン支援を実行。事業の立上げ、企業再生に実績残す。
経済産業省「新たな成長型企業の創出に向けた意見交換会」メンバー。
一般社団法人日本輸入モーターサイクル協会電動バイク部会理事。九大工学部卒(テラモーターズHPより引用)


電動バイクでバイク業界に新風

徳重氏は、社員30数名の電動バイクベンチャー企業、テラモーターズのファンダーでありCEOだ。社員の大半はアジアにおり、彼自身も月のうち3週間はインドやタイなど、アジア各国への出張をしているという。この数年で延べにして126ヵ国の入出国があるというからすごい。


エネルギッシュな行動力とは裏腹に、常に長身をスーツに包んだ徳重氏の物腰は柔らかい。穏やかな表情に、静かなトーンで話す。
電動バイクというコンセプトで、アジアのバイク市場に切り込んだ起業家としての顔はあっても、およそバイク乗りには見えない。

しかし、大学時代にはスズキのバンディット400を駆り、オートバイにのめり込んでいたそうだ。

画像2: 【バイク業界のキーマンたち】電動バイクの風雲児。テラモーターズ社長  徳重徹

SUZUKI バンディット400リミテッド 1990年11月販売開始
出典:http://gashparl.fc2web.com/suzuki251-400.htm


「ただし、いまはもう、自社のバイクくらいしか乗りませんが」と徳重氏は笑う。「すっかり電動バイクの静けさに慣れてしまって、いまではホテルで寝ていても、普通のバイクの音に驚いて起きてしまうことがあるくらいです」

ではなぜ、バイク業界を選んで起業したのか?との問いに、徳重氏は、こう答える。
「バイクというプロダクトは、グローバルな市場をもっていて、しかもまだまだイノベーションが起きる可能性が大きいからですよ」

従来のオートバイメーカーの多くは電動バイク開発に取り組んではいたものの、会社全体をデジタル化していくことになかなか腰が重いようにみえた、と徳重氏は言う。車の世界ではテスラモーターズのようなチャレンジが始まっており、バイクであれば、自分達でも同じような挑戦ができると考えた、という。


画像3: 【バイク業界のキーマンたち】電動バイクの風雲児。テラモーターズ社長  徳重徹

ワクワク、ドキドキするバイクを作りたい

Lit motorsをご存知ですか?」と徳重氏は不意に言った。
Litとは、韓国系米国人が興したスタートアップで、ジャイロスコープを使って足をつかなくても倒れない自立型バイクを作っている。宇宙ゴマの原理と同じだ。

徳重氏は、Lit motorsの工場を視察したおりに、その工場の粗末さに驚いたという。そして、それでも彼らの堂々とした態度に共感したともいう。「彼らはまだまだ零細企業と言っていいのに、PRやマーケティングのうまさと、何より事業に賭ける情熱を全面に出していた」
だからこそ、まだまだ小さい企業でありながら世間の注目を集めることに成功したという。「我々テラモーターズも臆さず、新しい試みを実現させて、より革新的な商品を作っていきたい」「バッテリーもどんどん小さくなって、やがて親指くらいのバッテリーで終日動くバイクを作れると思っているんですよ」と、徳重氏は熱い思いを静かに語った。


画像4: 【バイク業界のキーマンたち】電動バイクの風雲児。テラモーターズ社長  徳重徹

蛮勇こそ大事!

日本の大企業は、ちょっと障害にあたると、それを避けようとするようになった、と徳重氏は苦言を呈する。
蛮勇を振るう、そういう無鉄砲さを日本人はもっと思い出すべきでないか??例えばインドあたりでは、全くの異業種からバイクや車を作ろうとする中小企業が多く存在するという。

彼らから多くのことを学んだ、と徳重氏はいう。蛮勇をもって事業を拡大していくこと。
それが徳重氏が日々ここに刻んでいる誓いだそうだ。


(聞き手:ロレンス編集長 二上善則 撮影:小川浩)

コメントを読む・書く

This article is a sponsored article by
''.