世のロードレースファンの間では、今年度のヤマハとドゥカティの、オフィシャルMotoGPチームのお披露目の話題で持ちきりですね。でも、その中から伝えられたウワサ話が、実はすごいスクープだったのです(ホントに将来そうなる・・・のだったら、ですけど)。

伝統のVツインではなく、V4・・・?

ウワサ話の元は、一流メディアのCRASH.NETです。報道によると、ドゥカティ本拠地ボローニャでのMotoGPチーム発表会の席で、CEOのクラウディオ・ドメニカリとドゥカティ・コルセのスポーティング・ディレクターのパオロ・シアバッティが、2019年度からV4マシンでSBKに参戦する可能性について言及したとか・・・。

シアバッティは、2018年度いっぱいは従来のVツインマシンをSBKで使うが、その後V4マシンでSBKも戦う可能性には「限りなく近づいている・・・」と意味深な言い方をしてます。またドメニカリも、MotoGPで開発したデスモセディチV4は非常に素晴らしいエンジンなので、これを市井の顧客向けに提供=公道モデルとして提供することを真剣に考えている・・・と語ってます。

画像: 2008年、1,500台限定で販売された、リアルMotoGPレプリカ・・・ドゥカティ・デスモセディチRR。オネダンはなんと5万ユーロ(当時の日本での販売価格は866万2,500円)でした・・・。 www.totalmotorcycle.com

2008年、1,500台限定で販売された、リアルMotoGPレプリカ・・・ドゥカティ・デスモセディチRR。オネダンはなんと5万ユーロ(当時の日本での販売価格は866万2,500円)でした・・・。

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過去のデスモセディチRRのようなプレミアモデル・・・ではない!?

ここまでの話を聞くと、それは2008年に限定販売された高額車、デスモセディチRRの再来・・・と思ってしまいますが、周知のとおり現状のSBKレギュレーションでは、デスモセディチRRの5万ユーロという価格は、ホモロゲーションが定める上限額を上回まってしまいます。

そのことについてドメニカリは、近い将来登場するかもしれない公道用V4マシンは、デスモセディチRRのようなエキゾチックなモデルではなく、フツーに買えるハイエンド・スポーツになるだろう、と語っています。そして市販が実現したら、当然それでSBK参戦も検討すると・・・。

画像: 先日行われた2017年チーム体制発表会に登場した、最新のドゥカティMotoGPマシンにまたがるホルヘ・ロレンソ(左)とアンドレア・ドビツィオーゾ。このV4マシンをベースにした市販公道モデルが、ホントに将来販売されることになるのでしょうか・・・? www.ducati.com

先日行われた2017年チーム体制発表会に登場した、最新のドゥカティMotoGPマシンにまたがるホルヘ・ロレンソ(左)とアンドレア・ドビツィオーゾ。このV4マシンをベースにした市販公道モデルが、ホントに将来販売されることになるのでしょうか・・・?

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総帥ドメニカリのぶっちゃけぶり? にシアバッティはちょっと焦ったのか、今年と来年は今までどおり、現在の主戦マシンであるVツインのパニガーレで戦うことを改めて強調しています。そして、エースのチャズ・デイビスを勝たせるため、パニガーレの改良に励んでいることを付け加えてもいます。

画像: 今年、チャズ・デイビスの相棒となるマルコ・メランドリとドゥカティ・パニガーレ。昨年11月のヘレスでのテストの光景ですが、SBKに帰ってきたメランドリがどれだけ活躍できるか・・・も注目です。 www.ducati.com

今年、チャズ・デイビスの相棒となるマルコ・メランドリとドゥカティ・パニガーレ。昨年11月のヘレスでのテストの光景ですが、SBKに帰ってきたメランドリがどれだけ活躍できるか・・・も注目です。

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ホントだったら、嬉しさ半分、残念さ半分・・・かな?

まぁまとめると、現時点ではCEOのドメニカリとしては、せっかくMotoGPに参戦しているのだから、開発したV4のMotoGPマシンの技術を活かした市販車を売りたい・・・と考えるのは当然でしょうし、市販したらプロモーション的にもSBKに参戦したい、と考えるのも自然ですね。あくまで彼らがそう思っている・・・というハナシで、未来は何も決定していない、ということです。

個人的には、V4のドゥカティ公道用モデルが、かつてのデスモセディチRRよりも安価で市販されたら、それはそれは非常に興味あります(もっとも比較的安価なだけで、相当お高いでしょうが)。既存のVツインファン以外の、新しいドゥカティの顧客を開拓するポテンシャルが、そのV4マシンにはあるでしょう。ただ一方では、黎明期の1988年から今日までSBKで戦ってきたVツインの伝統・・・を、ドゥカティVツインレーサーの活躍を見て育った身としては、2019年以降も受け継いでいってほしい気もします(参加車両すべてが4気筒になるのも、レギュレーションによる性能調整はラクですが、それはそれでツマラナイ気がします・・・)。

1972年イモラ200を勝利したポール・スマートとドゥカティ750。このほか、マイク・ヘイルウッド、トニー・ラッター、ジェームス・アダモ、マルコ・ルッキネリ、レイモン・ロッシュ、ダグ・ポーレン、カール・フォガティ・・・キリがないのでこの辺までにしますが、多くの名手がドゥカティVツインで活躍しました。

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さらにさかのぼれば、1972年イモラ200、世界ロードレースGP500ccクラス、マン島TT-F1及びF2、デイトナBOTT・・・などなど、1970年代以降、常にドゥカティのレーシングイメージを牽引していったのも、歴代Vツインの名機たちでした。2011年のカルロス・チェカを最後に、SBKタイトルから遠ざかっているドゥカティVツインですが、パニガーレがSBKタイトルを逃したまま退役・・・という不名誉を回避するため、今年と来年(←気が早い?)、頑張って欲しいです!

なおこちらの動画は、昨年のアルバレーシングの公式YouTube動画です。これを見てドゥカティファンの皆さんは、今年のドゥカティの活躍を期待しましょう。

画像: Road to Misano 2016 youtu.be

Road to Misano 2016

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