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皆さんはどんな格好でバイクに乗っているだろうか。
プロテクターがしっかりと装備された、最新のハイテク・ライディングウエアは、安全性や快適性を考えると、最良の選択のひとつだろう。流行のカスタムスタイルなら、オシャレにも気を配ってストリートファッションを取り入れているかもしれない。いやいや、バイクに乗るなら革ジャンでしょう!というハードスタイルも主流のひとつだね。

ライディングファッションには様々な好みがあると思うが、ある程度の距離を走るツーリングに出かけるなら、それなりにしっかりとしたジャケットやパンツを装備した方がいいのは言うまでもない。この頃は、機能重視のゴツいウエアだけではなく、ファッショナブルなライディングウエアも増えてきた。ただ、一般的な視点でみるとライディングウエアは、バイクに乗るための服装であることに変わりはない。オシャレになったとはいえ、バイクに乗ってきましたということを、旅先では多かれ少なかれ、見た目だけで相手に伝えていると思う。

先日、バイク仲間と日本海の旨い魚介と日本酒を堪能しようという主旨で、新潟県のとある港町のホテルをとってバイクで集まった。現地へは、群馬から新潟へと続く山深いワインディングを走ってきた者や、東京からドカ〜ンと高速道路で一気に走ってきた者とその行程は様々だ。というのも、このツーリングはみんなで一緒に走るのが目的ではなく、この港町でうまい飯と酒を堪能するのが目的だから基本が現地集合。会場はホテルから歩いて5分ほどのところにある、オシャレな料理屋さん。お店のご主人もバイク乗りだから、いつも私たちが集まるのを歓待してくれる。

夕方になり三々五々とホテルにチェックインした仲間たちがロビーに集まってくる。多くのメンバーは、ここまで走ってきたライディングウエアのままで出てきた。私はせっかくだからと、カジュアルながら着替えを用意してきた。襟付きのシャツにハーフパンツとスニーカー。革ジャンをはおっているのが唯一のバイク乗りであるという主張。

ふと見ると、後輩のひとりが革のハーフパンツで立っている。夜の宴のために着替えてきたらしい。「お、なかなかやるじゃん」なんて思ったが、足下が走ってきたままのエンジニアブーツ。「シューズのつめが甘いなぁ」なってからかっていたら、私の先輩は、キチッとしたシャツにスラックスと革のスリップオンシューズといういでたちで登場。さすがだなぁと思ったわけです。

この先輩は金沢が好きらしく、BMW R1200RTで東京から金沢まで頻繁にツーリングしているらしい。馴染みの料亭やバーもあるようだ。そうなるとライディングウエアは無粋と言わざるをえないだろうね。先輩は旅先であっても、革ジャンとブーツを脱いで、その夜にふさわしい出立ちで金沢の夜を楽しんでいらっしゃるのです。

別にツーリング先の食事で着替える必要なんてないんですよ。バイクで何百キロも走ってこの街にいる。だからバイク乗りの格好のまま、その土地で飯を食い酒を飲む。それでいいのです。ただ、ツーリングライダーは旅人なので、旅人のままであるかぎりその土地では異邦人ともいえる。ツーリング先でその土地のことをもっと知ってみたい。としたら、ささいなことかもしれないけれど、ライディングウエアを脱いでみる、というのがその一歩になるのかもしれない。

ファッションというのは、それを着る人のアイデンティティなのだと思う。和装などの民族衣装は言うにおよばず、着るものはすべてユニクロですっていう人も、ユニクロを着ている自分を意識せざるをえない。ライダーはライディングっていう必要性からウエアを選択するのだが、ツーリングでついたその先でどういう自分でいたいかは、意外とそのファッションで決まるかもしれない。

ちなみに私の別な先輩の中には、ツーリング先で和装に着替える方もいらっしゃる。これはだいぶ一般的ではないかもしれないけど、オシャレという意味では強烈なインパクトがある。バイクライフというと、ハードとしてのバイクが重要なのはもちろんだが、バイク乗りとしてバイクを降りたあとにどうありたいか、ってことも考えてみると楽しいだろう。たとえば、ツーリング先でのファッションのことなんかについて。

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